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漢方の基礎知識

虚実(きょじつ)…医学的病態の充満度を測るものさし

 身体に病的因子が加わった際の生体反応パターンを把握するものさしとして、漢方では「虚実(きょじつ)」を用います。「虚実」は、漢方医学的病態の充実度をさしています。

「虚」 …
病気に対する力が低下して、身体が虚弱な反応(脈や腹壁の緊張が弱い)をします。
一般的には体力のない人がこの状態になりやすく、補う(元気をつける、温めるなど)ことが治療になります。
「実」 …
身体が病気に対して力強く反応し、患部に強い痛みや腫れなどの充実した反応を表します。
一般的に体力のある人がこの状態になりやすく、瀉する(しゃする:下痢をさせる、冷ますなど)ことが治療になります。
  • 虚証を示唆する症候
    • 元気がない、体力がない
    • 華奢な体格である
    • 声が細く小さい
    • 眼に力がなくうつろな感じ
    • 動作がしっかりしない
    • 下痢しやすい
    • 脈の力が弱い
    • 腹力が軟弱
    • 症状は比較的弱くて穏やか
  • 実証を示唆する症候
    • 元気がある、体力がある
    • がっしりした体格である
    • 声が太く大きい
    • 眼に力があり生き生きしている
    • 動作がしっかりしている
    • 便秘しやすい
    • 脈の力が強い
    • 腹力が充実
    • 症状は比較的強くて激しい