お悩み別漢方
頭痛
雨の降る前の日に頭が痛くなることはありませんか?漢方薬で身体を巡る水の偏在を改善することで、あの辛さから解放されることがあります。
水分があるべきところに必要量存在していれば良いのですが、水田に囲まれ、梅雨や台風などで多湿の日本では、水の偏在が体内で生じやすいのです。これは水毒(すいどく)と呼ばれ、頭痛、浮腫(むくみ)、めまい、車酔い、吐き気、尿の異常などさまざまな症状が起こります。昔の人はさまざまな症状を呈する水毒に対して、「怪病(けびょう)は水毒を治せ」とも言っています。水毒体質の方は、飲んだ水が胃でチャプチャプ鳴るということがしばしばあります。
70代の女性が10代前半から続く頭痛を訴え、来院しました。天候が悪化する前に頭痛が生じるケースで、治療として「五苓散(ごれいさん)」が処方されました。その結果、台風が来た際の頭痛が軽減し、1ヶ月後には頭痛の発作が消失しました。
頭痛を経験したことがない?そんな方は今晩、お酒をたくさん飲んで寝てください。翌日は頭が痛く、のどが渇いて浮腫はあるけど、尿の出が悪いという水毒状態を経験できます。「五苓散」がよく効きます。お酒を飲む職業の患者さんも「いつものアレをください」という一品です。