漢方の基礎知識
漢方薬について
漢方薬は、大きく2種類に分けられます。
一つ目は「煎じ薬」といい、生薬を水から煮出したものです(写真左)。
二つ目は「エキス剤」といい、煮出した液をインスタントコーヒーのように乾燥させた粉末です。煎じ薬より効果はやや劣りますが、手軽に飲むことができ、携帯にも便利です(写真右)。
それぞれ保存方法が異なり、エキス剤はそのまま室温で保管して構いませんが、煎じ薬は煎じあがったら、できるだけ速やかに滓(かす)を濾(こ)して取り分けてください。長く放置すると有効成分が滓に吸着されてしまいます。また、すぐに飲まない分は、冷蔵庫で保管して2日以内に飲んでください。また、煎じる前の生薬は、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管してください。
- 一般的な煎じ方
- 1日分(1袋)を破って、中の生薬を土瓶などに入れてください(写真1)。
- ※ガラスやホーローでも結構です。鉄やアルミは成分が溶け出したり、化学反応を起こしたりするので避けてください。
- 約600mlの水を入れ(写真2)、フタを開けたまま電気コンロ(600W)またはガスコンロ(弱火)で40分煎じてください(写真3)。
出来上がりは約300mlとなります。これが1日分です。
- ※薬によっては60分煎じるものもあります。
- ※約300mlに煎じあがるように火力を調節してください。
- ※出来上がりの量よりも加熱時間が大事です。ただし火力が弱すぎると生煮えとなり、生薬によっては副作用を起こすことがありますので注意してください。
- ※元々の生薬が多い場合、出来上がりの量が極端に少なくなることがあるので、初めの水の量を少し増やしてください。
- 1日分(1袋)を破って、中の生薬を土瓶などに入れてください(写真1)。
- 飲み方
- 煎じあがった液を茶こしで濾して(写真4)、1日3回空腹時(食前30分以上か食間)に飲んでください。
- ※漢方薬は穏やかな作用のものが多いため、効果を充分発揮させるように他の飲食物と胃の中で混ざらないようにします。ただし空腹時に飲むと胃にさわる人、漢方薬を数種類飲んでいる人などは食後にずらすこともあります。西洋薬を飲んでいる方は、漢方薬と少し時間をずらして飲んでください。
- 煎じ薬は温めて(電子レンジでOK)、エキス剤はコップ半分くらいの湯で溶いて飲んでください。
- ※薬によっては冷やして服用するものもあります。
- 煎じあがった液を茶こしで濾して(写真4)、1日3回空腹時(食前30分以上か食間)に飲んでください。