医療関係者の皆様へ

こんなときには漢方

真武湯しんぶとうの活用法

 みなさん、葛根湯かっこんとうはよくご存知のことと思います。葛根湯は、風邪の初期だけではなく、主に頭部の炎症(中耳炎、鼻炎、結膜炎)や肩こり、乳腺炎、蕁麻疹にも効果があり、応用範囲の広い漢方薬です。
 真武湯は陰証(冷えが主体の病態)の漢方薬で、陽証(熱が主体の病態)の葛根湯と同じように応用範囲が広いことと、高齢者や虚弱者の風邪薬として使われることから「陰証の葛根湯」と言われています。

真武湯の適応

膝の痛み
 真武湯が適応になる人は、冷え性で顔色が悪く体全体が冷え、診察でも手足が冷たく、めまいやめまい感を伴う傾向があります。このめまい感はふらっとしたり、くらっとする感じや雲の上を歩くようにフワフワするという感じです。また倦怠感を伴い、「座れるところがあったら座りたい、横になれるのであれば横になりたいですか?」と質問すると「はい」と答えます。

 前述しましたが、高齢者や虚弱者の風邪、神経痛、胃腸虚弱、下痢にも効果があります。また浮腫にも効果があります。例えば、心不全が増悪して入院し利尿剤で治療している高齢の患者さんで、元気がなく手足が冷たく四肢に浮腫がある状態にも応用できます。

 冷え性で手足が冷たく、めまいやめまい感があり、座るところがあったら座りたい・横になれたら横になりたいという倦怠感や、浮腫が認められる場合、ぜひ真武湯をご活用ください。

真武湯のまとめ
●強い冷えと浮腫傾向がある
●くらっとする、あるいはフワフワするようなめまい感がある
●横になりたいような強い倦怠感がある