医療関係者の皆様へ

こんなときには漢方

「介護疲れ」に漢方治療

介護
 高齢化の急速な進行、在宅医療の推進に伴い認知症などを患う家族の身の回りの世話を担当する介護者の役割が増加しています。介護される側は様々な症状に対して治療を受けることができますが、介護する側が治療対象となる機会は少ないのが現状です。介護は、精神的・身体的に負担が大きいにも関わらず介護者の苦労が理解されない、負担を軽減できずに苦しんでいることも多く、介護者の心身をいかに良好に保つかが、介護継続の上で重要あると考えます。

介護者を支えるために

 「介護疲れ」に対する漢方治療のポイントとして第一に、その症状が、疲弊して気力・体力の低下から出現しているのか、介護ストレスによるイライラから出現しているのかを鑑別する必要があります。次に,その他の随伴症状に着目して適応する漢方薬を決定します(ポイント参照)。介護負担から出現している様々な症状に対して漢方薬を使って丁寧に対応すれば、「介護者を支える」ことが上手にできるようになり、患者・家族との信頼関係をより高めることができると考えます。心身の不調を訴える介護者がいましたら、漢方薬を用いて、症状を和らげてあげてはいかがでしょうか?

 
介護疲れに対する漢方治療のポイント
①気力・体力が低下している
手足がだるい・眼に力がない・声が弱い・・・補中益気湯エキス7.5g3X
or
補中益気湯の特徴+皮膚の乾燥・脱毛が目立つ・・・十全大補湯エキス7.5g3X
②ストレスからイライラしている
せっかち・怒りっぽい・不眠・・・抑肝散エキス7.5g3X
or
精神不安・動悸・悪夢を伴う不眠・・・柴胡加龍骨牡蛎湯エキス7.5g3X