柴胡桂枝乾姜湯と当帰芍薬散の併用は、どちらも体が弱った人向きで、相性は大変良いと考えます。柴胡桂枝乾姜湯(柴胡、黄芩、栝樓根、桂皮、牡蛎、乾姜、甘草)と当帰芍薬散(当帰、芍薬、川芎、朮、茯苓、沢瀉)は全く構成生薬が異なり、柴胡桂枝乾姜湯は主に気の異常に、当帰芍薬散は血と水に対応し、気・血・水のすべてに対応しています。柴胡桂枝乾姜と当帰芍薬散の併用は、厳密な冷え症ではないが冷えっぽい人、ストレスをうちにためる人、神経質で真面目な性格の人などにおすすめです。
柴胡桂枝乾姜湯と当帰芍薬散の併用と最も鑑別を要するのは加味逍遥散だと思います。加味逍遥散は、当帰芍薬散と当帰、芍薬、朮、茯苓と構成生薬が同じで、血と水を裁き、山梔子で熱を冷まし、柴胡、薄荷で気をめぐらし、気血水に対応しています。加味逍遥散の適応となる方はストレスを受け流すことが得意ではないが、他人を攻撃するタイプが多いようです。また、人の言うことを聞かない、オーバーな愁訴で医師や看護師を翻弄して我が道を行く印象です。