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治療法 Pick up

TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)
大動脈弁狭窄症への治療法

対象疾患

大動脈弁狭窄症(心臓弁膜症の一つ)

 大動脈弁狭窄症は心臓と大動脈の間にある逆流防止のための弁が狭くなる病気です。
 生まれつきの弁の異常(2尖弁など)、加齢による石灰化、リウマチ熱による弁の変性などのために大動脈弁が狭くなり、重症になると胸痛、失神、心不全などの症状が出てきます。

 大動脈弁狭窄症は徐々に進行し、薬物での治療には限界があるため、従来から外科的治療(弁置換術)、経皮的バルーン形成術がなされていましたが、2013年からは新たに経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が本邦で施行可能になりました。当院でも外科的治療、経皮的バルーン形成術は行っていましたが、2018年9月頃からTAVIが施行可能となりました。

TAVIとは

 通常の外科的弁置換術の場合は胸を大きく開き、人工心肺装置につないで心臓を一旦止めて弁を新しいものに取り替える必要がありました。
しかし、TAVIは多くの場合は開胸せずに施行することができ*、心臓も止める必要がないため、身体的負担が大幅に軽減されます。TAVIは高齢、体力低下、低心機能、肺疾患など心臓以外の病気を合併され、これまでは手術が必要でも受けることのできなかった患者さんのための治療法となります。

* 心尖部アプローチ、直接大動脈アプローチの際は小開胸が必要になります。

治療法

 TAVIはカテーテルを足の付け根の大腿動脈から挿入して弁を留置する方法(経大腿動脈アプローチ)が第一選択ですが、血管が細かったり動脈硬化が強い場合には肋骨の間から心臓に直接カテーテルを入れたり(経心尖部アプローチ)、鎖骨下動脈、上行大動脈からアプローチすることもあります。カテーテルで狭くなった大動脈弁の場所に新しい人工弁を留置しますので、手術の負担が軽く、傷が小さく済むことから治療後の回復が早くなります。

 TAVIに使用される人工弁は年々改良されてきており、合併症も減り、治療成績は改善してきています。しかし、長年の実績がある外科的弁置換術と比較してTAVIは治療の歴史が浅いため、長期間のデータが不足しています。また、TAVIが向かない心臓・弁・血管の形態の場合もありますので術前に精密検査を行った後に治療方法を決定する必要があります。また、人工透析中の方、大動脈弁以外の重症弁疾患合併の方、悪性疾患で末期の方はTAVIでの治療を受けることはできません。
 まずはCT検査、カテーテル検査などを行い、どの治療方法が最善かをハートーチームで検討させていただき、その上で十分なご説明をさせていただきます。

地域の医療機関の皆様へ

 大動脈弁狭窄症でお困りの患者さんで、ご高齢・その他の疾患の合併などで手術が難しいと判断されておる場合でもTAVIが可能な場合がありますので、いつでもご相談ください。

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