専攻医

基幹プログラム

産婦人科〔常勤医:8名(うち指導医:5名)、専攻医:4名〕

※ 日本専門医機構による二次審査の結果によっては、プログラムが一部変更となる可能性があります

「市中病院ならではの症例の多様性と、大学病院に負けない指導体制。
 福岡で唯一、このバランスが両立する場所。」


DATA(2024年実績より)

年間手術症例数:約600件
年間入院患者数【産 科】約440名
        【婦人科】約670名

日本周産期・新生児医学会周産期専門医制度基幹認定施設
日本産科婦人科学会専門医制度専門研修基幹施設
日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設
日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
日本女性医学学会専門医制度認定研修施設

はじめに

 当科は大学病院でないにも関わらず、産婦人科の研修病院としての条件を満たしている数少ない病院のひとつです。初期臨床研修で学ぶ基本的な事項に加え、産婦人科専門医として必要な、より専門的な知識と診療技術の習得を専門研修の目的とします。分娩や手術のオープン化を図り、不妊外来、婦人科腫瘍専門外来も開設。深く学べる環境が整っています。

研修の特徴

 当科の専門研修で獲得できる主な技能は次の通りです。

  • 周産期管理(CTG読影、胎児超音波、切迫流早産の診断及び管理など)
  • 分娩介助(経膣分娩、帝王切開の管理)
  • 手術助手(産科、婦人科良悪性腫瘍)
  • 急性腹症(卵巣出血、卵巣腫瘍茎捻転、異所性妊娠など)の診断と治療
  • PIDの診断と治療
  • 女性患者の外来対応、婦人科検診

診療実績

-実績については、こちらから-

研修プログラム

研修期間

 研修期間は3年間を原則とする。

飯塚病院産婦人科専門研修プログラム例

A.飯塚病院産婦人科専門研修プログラムの施設群
連携施設群

飯塚病院産婦人科専門研修プログラムでは飯塚病院産婦人科を基幹施設とし、連携施設とともに研修施設群を形成して専攻医の指導にあたる。これは地域医療を経験しその特性の習熟を目的とし、高度かつ安定した地域医療の提供に何が必要かを勘案する能力がある専門医の育成に寄与するものである。また、飯塚病院では経験する事が少ない不妊症、性病、性器脱、避妊指導、モーニングアフターピルの処方と服薬指導などの習熟にも必要である。指導医の一部も施設を移り施設群全体での医療レベルの向上と均一化を図ることで専攻医に対する高度に均一化された専攻医研修システムの提供を可能とする。連携施設には得意とする産婦人科診療内容があり、基幹施設を中心として連携施設をローテートする事で生殖医療、婦人科腫瘍(類腫瘍を含む)、周産期、女性のヘルスケアの4領域を万遍なく研修する事が可能となる。

 産婦人科専攻医の研修の順序、期間等については、個々の専攻医の希望と研修進捗状況、各施設の状況、地域の医療体制を勘案して、飯塚病院産婦人科専門研修プログラム管理委員会が決定する。

B.飯塚病院産婦人科専門研修プログラムの具体例

産婦人科専門研修プログラムとその後のSubspecialty研修などと将来像の概要

飯塚病院専門研修プログラムの具体例

 産婦人科専門研修プログラムでは、専攻医は3年間で修了要件を満たし、ほとんどは専門医たる技能を修得したと認定されると見込まれる。修了要件を満たしても技能の修得が足りない場合、病気や出産・育児、留学などのため3年間で研修を修了できなかった場合は1年単位で研修期間を延長し、最終的に専門医を名乗るに足る産婦人科医として、修了年の翌年度(通常卒後6年目)に産婦人科専門医試験を受験する。専門医を取得して産婦人科専門研修プログラムの修了と認定する。この6年目は産婦人科専門医取得とその後のサブスペシャルティ研修開始の重要な時期である。

 研修は基幹施設である飯塚病院産婦人科ならびに福岡県内もしくは他県の連携施設にて行い2ヶ月~1年ごとのローテートを基本とする。飯塚病院においては、婦人科悪性腫瘍および合併症妊娠や胎児異常、産科救急などを中心に研修する。飯塚病院での研修の長所は、一般市中病院では経験しにくいこれらの疾患を多数経験ができることである。3年間の研修期間のうち1年6ヶ月から2年間(少なくとも1年間)は基幹施設で最重症度の患者への最新の標準治療を体験する。

 一方、飯塚病院外の連携施設においては、不妊治療および一般婦人科疾患、正常妊娠・分娩・産褥や正常新生児の管理を中心に研修する。外来診療および入院診療は治療方針の立案、実際の治療、退院まで、指導医の助言を得ながら自ら主体的に行う研修となる。生殖医療については体外受精などの不妊治療をIVF詠田クリニックや浜の町病院にて症例を見学する。

C. ローテーションパターン
産婦人科ローテーション表
D. Subspecialty専門医の取得に向けたプログラムの構築

 飯塚病院産婦人科専門研修プログラムは専門医取得後に以下の専門医・認定医取得へつながるようなものとする。

  • 日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医
  • 日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医
  • 日本生殖医学会 生殖医療専門医
  • 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医
  • 日本超音波医学会 超音波専門医

 専門医取得後には、「Subspecialty産婦人科医養成プログラム」として、産婦人科4領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動も提示する。

指導責任者からのメッセージ

指導責任者 辻岡 寛

指導責任者 辻岡 寛

 飯塚病院産婦人科のセールスポイントは、1)周産期医療と婦人科がん診療における症例の豊富さ、2)手術など技術の指導に熱心な指導体制、3)周産期・婦人科腫瘍・内視鏡の修練施設であり産婦人科一般診療のみならずサブスペシャルティ研修も並行して行える、4)総合周産期母子医療センターであり地域の中核病院として基本的にあらゆる疾患に対応可能、5)初期研修から専攻医研修、サブスペシャリティー研修に於いて豊富な経験と人材の育成実績が病院全体に蓄積されている、6)エビデンスを作るための臨床試験や治験への参加が多く、自然にEBMを身につけられる環境、である。
 後期研修4年目の秋に産婦人科専門医を取得することができ、さらに希望があればサブスペシャルティの周産期(母体・胎児)専門医、婦人科腫瘍専門医取得のための研修に移行できる。また、大学院進学も支援している。
 どこの大学病院の医局に属しておらず、大学の講座に入局の必要はありません。

指導医数
5名(日本産科婦人科学会専門医8名)、常勤医8名・非常勤医2名

日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医:3名
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍指導医:2名
日本がん治療認定医機構暫定教育医:1名、同がん治療認定医:4名
日本内視鏡外科学会技術認定医:1名
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医:2名
日本女性ヘルスケア暫定指導医:1名
日本周産期・新生児医学会 周産期(母体・胎児)指導医:1名、同専門医:2名
入院患者数
100名(1ヶ月平均) 婦人科:65名、産科:35名
手術件数
約600件/年  婦人科:70%、産科:30%
分娩件数
約350件/年
経験できる疾患
選抜された少数の後期研修医・専攻医が担当しますので、ほとんどすべての産婦人科疾患を経験することができます。
経験できる手技
1)婦人科内分泌検査・・・基礎体温測定、腟細胞診、頸管粘液検査、ホルモン負荷テスト、各種ホルモン測定、子宮内膜検査
2)不妊(症)検査・・・基礎体温測定、卵管疎通性検査(通気、通水、通色素、子宮卵管造影)、精子頸管粘液適合試験(Huhnerテスト)、精液検査、子宮鏡、腹腔鏡、子宮内膜検査、月経血培養
3)癌の検査・・・子宮腟部・頸部・内膜をはじめとする細胞診、コルポスコピー、Schillerテスト、組織診、子宮鏡、RI検査、CT、MRI、腫瘍マーカー測定
4)絨毛性疾患検査・・・基礎体温測定、ホルモン測定(絨毛性ゴナドトロピンその他)、胸部X線検査、超音波診断、骨盤動脈造影
5)感染症の検査・・・一般細菌、原虫、真菌検査、免疫学的検査(梅毒血清学的検査、HBs抗原検査、HCV抗体検査、HTLV-I検査、HIV検査、風疹抗体、トキソプラズマ抗体、淋菌DNA、クラミジアDNA・抗体検査など)、血液像、生化学的検査
6)放射線学的検査・・・骨盤計測(入口面撮影、側面撮影)、子宮卵管造影、腎盂撮影、膀胱造影、骨盤血管造影、リンパ管造影、胎児造影、レノグラフィー、シンチグラフィー、骨・トルコ鞍・胸部・腹部単純撮影法、CT、MRI、RI検査
7)内視鏡検査・・・コルポスコピー、子宮鏡、腹腔鏡、膀胱鏡、直腸鏡
8)妊娠の診断・・・免疫学的妊娠反応、超音波検査(ドップラー法、断層法)
9)生化学的・免疫学的検査
10)超音波検査・・・ドップラー法:胎児心拍聴取、断層法:骨盤腔内腫瘤(子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍その他)、胎嚢、胎児頭殿長、児頭大横径、胞状奇胎、胎盤付着部位、多胎妊娠、胎児発育、胎児形態異常の診断、子宮頸管長、Biophysical Profile Score (BPS)、Amniotic Fluid Index(AFI)、血流ドップラー法
11)出生前診断・・・羊水診断、絨毛診断、胎児血検査、胎児well-being診断、胎児形態異常診断
12)分娩監視法・・・陣痛計測、胎児心拍数計測、血液ガス分析
経験できる手術(術者)
婦人科:全腹腔鏡下子宮摘出術、子宮鏡下子宮筋腫核出術、腹腔鏡下子宮体癌根治術、 腹腔鏡下卵巣腫瘍手術、子宮鏡下手術、腹式単純子宮全摘出術、腟式単純子宮全摘出術、子宮筋腫核出術、子宮腟部円錐切除術、子宮頸管形成術、頸管ポリープ切除術、子宮形成術、子宮脱手術、付属器摘出術、卵巣腫瘍核出術(切除術)、卵管避妊手術、Bartholin腺手術(造袋術、摘出術)、陳旧性会陰裂傷形成術、腹腔鏡下腹腔内観察、胸水穿刺術、腹水穿刺術、皮膚腫瘤生検術、体外受精における採卵
産科:会陰切開・縫合術、吸引遂娩術、鉗子遂娩術、骨盤位牽出術、腹式帝王切開術、子宮内容除去術、子宮頸管縫縮術・抜環術、妊娠合併卵巣腫瘍核出術(切除術)、産褥会陰血腫除去術、羊水穿刺術
経験できる手術(助手)
婦人科:広汎子宮全摘出術、準広汎(拡大単純)子宮全摘出術、後腹膜リンパ節郭清、卵巣癌根治手術、子宮鏡下手術、腹腔鏡下手術、マイクロサージェリー、外陰切除術、人工造腟術、膀胱・尿管に関する手術、消化管・肛門に関する手術

先輩よりひとこと

德永 奈穗(2021年 長崎大学卒)

德永 奈穗

①飯塚病院の魅力
飯塚病院の魅力は、大きく4つあると感じています。
1つ目は、上級医の先生方に気軽に相談できる環境です。
症例のことはもちろん、診療方針に迷ったときや、時にはキャリアや人生についても相談に乗ってくださいます。忙しい中でも丁寧に時間をつくってくださる文化があり、「一人で抱え込まなくてよい」という安心感があります。雰囲気も非常によく、心理的安全性が保たれていると感じています。
2つ目は、正常から異常まで幅広い周産期症例を経験できることです。
地域の基幹病院として、ローリスク分娩からハイリスク妊娠、緊急対応まで多様な症例に携わることができます。その症例の幅広さは、確実な経験値につながると考えています。
3つ目は、早期から外来診療を経験できることです。入院管理だけでなく外来を担当することで、妊娠初期から分娩・産後までの流れを一貫して理解できるようになります。婦人科症例では、治療選択から手術の組み立てまでを担当するため、より深い理解につながります。外来を経験することで、診療全体の流れを立体的に捉えられるようになりました。
4つ目は、産科と婦人科の症例を同時に学べることです。
周産期医療だけでなく、良性疾患や悪性腫瘍など婦人科領域もバランスよく経験できます。どちらかに偏ることなく、総合的な産婦人科医としての基礎を築ける環境だと思います。

②産婦人科医を志した理由
私が産婦人科を志したのは、「命のはじまり」に関われる医療に魅力を感じたからです。
妊娠・出産は喜びに満ちた出来事である一方、常にリスクと隣り合わせでもあります。正常と異常の境界を見極め、時には迅速な判断が求められるこの分野に、医師としてのやりがいを感じました。
また、女性の一生に寄り添える診療科でもあることも大きな理由です。思春期から妊娠・出産、更年期まで長いスパンで関わることができます。医学的な支援だけでなく、その人の人生に伴走できる医師でありたいと思い、産婦人科を選びました。

③研修医の皆さんへ
産婦人科は、忙しく責任も多い診療科です。しかしその分、確実に力がつき、自身の成長を実感できる分野でもあります。
飯塚病院には、挑戦を後押ししてくれる環境があります。一人で抱え込ませないバックアップ体制があり、真剣に向き合えば必ず応えてくれる指導体制があります。
また私自身、当院で出産も経験しました。医療者としてだけでなく患者としてこの病院を体験したことで、スタッフ同士の連携や温かさを改めて実感しました。
「本気で成長したい」「幅広い症例を経験したい」そう思っている方には、ぜひ一度見学に来ていただきたいです。

評価

  1. 研修記録をもとに自己評価及び指導医評価の形で形成的評価を行う。
  2. 専攻医1年次の研修が終了した時点で研修内容を評価し、これを踏まえて2年次以降の研修計画を修正する。