専攻医

専門研修プログラム

麻酔科プログラム

研修期間:4年

外科系手術症例(麻酔科管理約4,400例)が豊富で、当院外科系診療科の全ての麻酔依頼症例に対応可能です。連携施設では、小児複合心奇形手術やペインクリニック診療、集中医療診療の研修を行い、内容・進行状況に配慮しています。プログラムに所属する全ての専攻医が経験目標に必要な症例を達成できるよう6つの研修施設においてローテーションを構築しています。


当プログラムのポイント

心臓血管麻酔専門医

 当院は心臓血管麻酔専門医認定施設に認定されており、
 研修を通じて心臓血管麻酔専門医を目指すことが可能です。

豊富な症例数

 年間4,000例以上の麻酔科管理症例があります。


サブスペシャルティ研修

 院内で集中治療研修・緩和ケア研修が可能です。

手術別年間麻酔件数(過去5年平均)

必要症例 年間平均麻酔件数
麻酔科管理症例 4477件
小児(6歳未満)の麻酔 148件
帝王切開術の麻酔 170件
心臓血管手術麻酔 273件
胸部外科手術の麻酔 229件
脳神経外科手術の麻酔 156件

専攻医経験実績

・専門研修1年目医師(2024/4~2025/3)

経験目標 経験症例数/必要症例数
麻酔管理症例 293/600
小児(6歳未満)の麻酔 20/25
帝王切開術の麻酔 13/10
心臓血管手術麻酔 62/25
胸部外科手術の麻酔 25/25
脳神経外科手術の麻酔 9/25

勤務へのサポート体制

 移植や小児心臓手術を除いてほとんどの症例を経験でき、筑豊地区唯一の三次救急施設であるため緊急手術も多いです。症例が豊富なため成長しやすい環境ですが、負荷がかかりやすいとも言えるため、様々な工夫をして負荷が軽減されるようにしています。
 まず症例については、前日に十分なディスカッションを行います。麻酔は「準備が8割」と言われるほど準備が重要であり、十分な準備を行うことで実際に麻酔をする際には、そのディスカッションを元に落ち着いて症例に取り組むことができます。また当直は専攻医が段階を経て安心して当直に対応できるように、宅直から開始して指導医ありの当直にシフトしていきます。日々の症例や緊急手術の経験を重ねながらフィードバックを行い、ひとり立ちする頃には様々な場面に対応するのに十分な技量を身につけられるようにサポートしていきます。症例に対するディスカッションやフィードバックは飯塚病院の強みであり、症例の豊富さと合わせて成長を後押しできると思います。
 また症例が多い中で、各スタッフの負担が少しでも軽くなるよう様々な工夫もしています。長時間症例や高難易度症例に平易な症例を合わせて分散することにより、成長のための負荷はありつつも、回復したり勉強できる時間を確保できるようにしています。また、手が空いている人が積極的に麻酔導入のお手伝いや休憩交代を行うといった文化もあり、忙しくも気持ちよく働ける環境であると思います。
 医師の働き方改革に伴い、病院全体で長時間労働改善に取り組んでいる中、麻酔科プログラムは月50時間程度の時間外でA水準(年間960時間以下)を維持しており、今後も働きやすい環境づくりを目指して様々な改善に取り組んでいきます。
 また、当院では特定行為看護師を含む麻酔補助看護師がおりますので、手術室全体で麻酔に対する理解が得やすい環境で働くことができます。

基本ローテーション

麻酔ローテーション

 ※連携施設研修の時期や研修先は本人の希望も踏まえ調整します。
 ※救急車当番や当直の業務があるため、最低4週間は、「救急科ローテーション」があります。

連携施設

ー 関東 ー
  自治医科大学さいたま医療センター(埼玉県さいたま市)
ー 近畿 ー
  京都大学医学部附属病院(京都府京都市)
  神戸市立医療センター中央市民病院(兵庫県神戸市)
ー 九州・沖縄 ー
  九州大学病院(福岡県福岡市)
  福岡市立こども病院(福岡県福岡市)
  九州医療センター(福岡県福岡市)
  済生会福岡総合病院(福岡県福岡市)
  聖マリア病院(福岡県久留米市)
  久留米大学病院(福岡県久留米市)
  産業医科大学病院(福岡県北九州市)
  地域医療機能推進機構九州病院(福岡県北九州市)
  佐賀県医療センター好生館(佐賀県佐賀市)

診療科のご紹介・プログラム冊子

― 麻酔科の実績やスタッフ紹介は、こちらからご覧ください ―

専攻医の声

添田 浩史
(麻酔科専攻医3年次)

 私は他院初期研修を経て飯塚病院麻酔科専門医プログラムに入り3年目になります。当初、多様な症例を経験できるということで飯塚を選んだものの、正直激務なのではないかと不安でした。しかし、働き始めると各スタッフの希望をできる限り尊重する職場の雰囲気で、常により効率的な働き方を考え続ける風潮が印象的でした。
 実際、当科では2022年度から3年間で4名のスタッフが産休・育休を取得しています。私も飯塚に来た初年度から9ヶ月間の育児休暇を取得しました。また、土・日・祝日の当直は非常勤の先生方に来ていただくことが多く、休日にしっかりとリフレッシュすることができます。専攻医期間はいろいろな経験を積みたいけれど、育児や介護など仕事外のことに不安を感じている方も大歓迎です。是非一度見学に来ていただき、飯塚の雰囲気を感じてみてください。

責任者より

統括責任者

 飯塚病院は、救命救急センター併設の筑豊地区唯一の基幹病院で、救命センターは一次~三次まで全ての救急患者に対応し、年間約8,000台の救急車を受入れます。その為、緊急手術麻酔が多いのが特徴で、2018年度年間麻酔科管理症例4,619件中756件、全症例の16%が急患症例です。ASA Refresher course lecturesの中に「緊急手術麻酔は、究極の臨床試験」とありますが、当院では一般手術から新生児手術・心臓大血管手術・産科救急・臓器移植ドナー管理まであらゆる手術麻酔を緊急症例を含め万遍なく経験する事が出来ます。また当院の連携施設研修において、小児複合心奇形症例は福岡こども病院で、集中治療研修は自治医大さいたま医療センターで、日本最先端の研修を受ける事が出来ます。更に緩和・救急医療・ペインクリニック診療・漢方診療等へのローテーションも可能です。
 専攻医の皆さんの可能性を最大限に高め、当院麻酔科研修プログラム出身の先生方が日本のみならず世界で活躍出来るようプログラム作成に邁進します。麻酔のみならずICUやER等の急性期医療に従事希望される先生方の臨床的基盤形成に、当院麻酔科研修プログラムを是非ご検討ください。