指導医からのメッセージ
中松 耕治(歯科口腔外科 部長、プログラム責任者)
[昭和60年卒]
飯塚病院歯科口腔外科は、ベッド数1,048床を有する地域基幹病院の歯科として、口腔外科疾患を主として扱っています。内容は、全身麻酔下での腫瘍・嚢胞などの手術、顎関節疾患、口腔粘膜疾患や、もちろん埋伏智歯抜歯など多岐にわたります。最近では癌や心臓外科・整形外科手術に際しての周術期口腔機能管理にも力を注いでおり、口腔ケアを通して術後の合併症減少や在院期間の短縮などの健康回復・維持をサポートすべく、6名の歯科衛生士とともに奮戦しています。
これまでの協力型研修システムに加えて、2019年4月、単独型の初期研修カリキュラムをスタート。また2020年度からは後期研修医も採用し、3人の指導医とともに診療に当たっています。初診患者数3000~3500人/年、手術室での手術数180~200件/年と非常に多いため、先に挙げたバラエティに富んだ口腔疾患の診断、手術、管理などを学んでいくことができます。歯科・口腔外科は外科系診療科ですので、実技の習得も欠かせない重要ポイントですが、指導医とともに実地に診療に当たることで着実かつ安全に技術が身に付きます。
超高齢化が進む昨今、全身疾患に対する配慮が必要な患者さんが増えています。循環器科、膠原病内科、糖尿病内科、総合診療科などすべての医科診療科がそろっている当院ならではの利点を活かし、各科医師や看護師などとのやりとりを通して有病者の歯科治療・管理を学んでいきます。また希望に応じて、麻酔科、形成外科、ユニークな漢方診療科など、医科での研修も可能です。
「疾患ではなく一人の人間を診る」という観点から、近年医科歯科連携の重要性がこれまでになく強調されています。医科と歯科をつむぐメッセンジャーとしての役割は、病院勤務の歯科医師が果たすべき大きな役割です。指導医も共に学びながら、皆さんの成長をしっかり後押ししていきたいと考えています。