2022年度デミング賞を受賞
デミング賞はTQM(総合的品質管理)に関する世界最高ランクの賞であり、経営目標・戦略の実現に向けてTQMが適切に活用され効果をあげるとともに、将来の発展に必要な組織能力を獲得していることが評価された組織に授与されます。
医療を取り巻く環境が厳しさを増す中で、2016年にデミング賞を受賞したトヨタ自動車九州株式会社(福岡県宮若市)に続き、同じ筑豊地域からのデミング賞受賞を目指し、当院はチャレンジを開始しました。コロナ禍の困難な状況の中でしたが、推進してきたTQMをさらに強化し、長年にわたる改善活動で培った組織の力を背景に、健全経営を基盤とする質の高い「まごころ医療」の実現と、将来にわたり発展していく力を備えるための取り組みを推し進め、当院は2022年度デミング賞受賞を達成しました。
国内外を含め、医療機関で初めてのデミング賞受賞となり、大変大きな意義がありました。
受賞理由
厳しい事業環境の中、地域から期待される役割を果たし続けるために、30年に渡ってTQM に取り組んできたが、順次取り入れてきた様々な活動の関係を整理し、2025年ビジョンの達成に役立てるために、2019年よりTQMの強化に取りくんでいる。
中長期計画を核とする多職種の連携と総合的マネジメントの実践、多様な改善活動の展開による改善カルチャーの浸透と業務プロセスの革新、標準化と情報システムの効果的活用、地域の医療関連施設との密接な連携など、特徴のある活動を展開している。
その結果、重篤患者の救急車受入率が向上し、新たな専門医療の導入に成功するとともに、インシデント数が減少し、退院支援件数が増加している。また、スキルを持った人材が育ち、職員の満足度が向上している。それらの総合的な効果として、入院患者数、紹介患者数が増加し、健全な経営を維持できている。
(日本科学技術連盟プレスリリース: 2022年10月4日配信分より)
デミング賞について
デミング賞とは
戦後の日本に統計的品質管理を普及し、日本製品の品質を世界高水準に押し上げた大きな礎となった故William Edwards Deming博士の業績を記念して1951年に創設されたTQM(総合的品質管理)に関する世界最高ランクの賞である。
TQMとは
Total Quality Managementの頭文字を取ったもので、日本語では「総合的品質管理」と言われる。
経営管理手法の一種で、企業活動における「品質」全般に対し、その維持・向上をはかっていくための考え方、取り組み、手法、しくみ、方法論などの集合体と言える。
これまでの主な受賞組織
● 田辺製薬株式会社(1951年) ● 塩野義製薬株式会社(1952年) ● 武田薬品工業株式会社(1952年)
● 株式会社日立製作所(1955年) ● 株式会社小松製作所(1964年) ● トヨタ自動車工業株式会社(1965年)
●トヨタ自動車九州株式会社(2016年) ほか