先輩の声 - 坂井 智達
真っすぐに総合内科・ホスピタリストの道を求める方はもちろん、漠然と内科のキャリアを考えている方、周りの医師とは違うキャリアを考えている方、常に変わりゆく組織を体感したい方、そして、家族の時間も大事にしたい方へ参考になればと思い、「先輩の声」を書かせていただきます。
現在(医師6年目)までのキャリア
私は当院で初期研修修了後、当科後期研修医として3年間プログラムを修了し、現在当総合内科ホスピタリスト部門でスタッフと勤務しています。ちなみに生まれも育ちも福岡です。
学生の頃から、老年医学に興味があり、そのキャリアを模索してきました。というのも、日本は世界一の高齢化率を誇りますが、老年医学を学ぶ場は、実は大学含め、あまりありません。そのような状況で、自分の将来のキャリアに関して非常に困っていた学生時代に飯塚病院と出会いました。飯塚病院を見学した際、世話をしてくれた医師に海外への臨床留学の道を教えて頂き、実際に米国の病院への見学調整もしてもらいました(見ず知らずの見学医学生に普通はそこまではしてくれないと思います)。その縁もあり、当院で医師として歩み始めました。まずは日本で内科を身につけ、その後老年医学の道に進みたいと思い、初期研修修了後は当科で3年間の総合内科研修に進みました。海外留学に関しては迷った末、最終的に医師5年目に挑戦することを決意し、現在に至ります。今年度は「スタッフ留学枠」として、当科に留学のための勉強をしながら継続して勤務しております。来年度(2020年度)から、ここ飯塚を去り沖縄米海軍病院での研修を行い、その後臨床留学の後に、日本に戻り、高齢者施設関連の仕事をしたいと思っております。
当科の研修について
当科の後期研修では、実際に自分が患者受け持ちをして学ぶ形、初期研修医を教えながら学ぶ形、チームリーダーとしてチーム運営も含め学ぶ形、と様々な視点で学ぶことができ、気づきに圧倒される日々でしたが、成長を段階的に実感できたと思います。病棟、重症ケア、外来と部門別にブロックローテをするため、効率よく勉強できました。もちろん症例暴露は十分です。卒後20年目くらいの指導医に直接指導を受けることは、知識はもちろん、医師としてのあり方から考えさせられました。ヤングスタッフ(卒後5-10年目)も多数在籍するため、気軽に相談でき、更に目指すべき姿がすぐ近くにあることは、モチベーション維持にはとてもよかったと思います。総じて、効率よく、密度濃く学ぶ成長するにはこの上ない環境であったと思いますし、それが当科での内科研修を選択した最大の理由でもあります。更に、全国から様々なキャリアプランを持った同期が集まっており、所謂これまでの王道の医師としてのキャリア(医局キャリア)ではないことへの不安はほぼ感じませんでしたし、飽きない環境でもありました。
3年間の後期研修期間中に短期研修として3ヶ月間の院外老年研修をさせてもらい、留学挑戦の決意を固めることもできましたし、提携病院のあるピッツバーグへリーダーシップ研修で短期研修もさせてもらいました。後期研修最終学年ではチーフレジデントという30名程の後期研修医を統括する役割もさせて頂き、管理・教育・メンタリング等様々なスキルを学ぶことができました。
当科のスタッフとしての勤務について
スタッフとしては今年度1年のみの勤務でしたが、留学を視野に入れていることや、新たな家族に恵まれたこともあり、留学枠スタッフとして、業務調整、勤務時間調整をして頂きました。10時~18時半週5勤務、当直なしで、当直明けのスタッフカバーや、夕の入院受けが基本業務です。適度に臨床を行いながら、空いた時間で存分に勉強することができましたし、子育てにも関わることができました。休暇も取りやすく、留学準備のための行事(見学、面接含む)、子供の行事すべてに参加することができました。有給休暇もほぼ100%消化できました。
ここ数年当科ではヤングスタッフを中心に働き方改革として、様々な施策を講じてきており、働き方の面だけみても5年前とは見違えるような組織になっています。現在、平日は勤務終了時刻に帰るスタッフもいますし、当直明けも帰れる体制や休日の当番制があり、働くべき人が働くべき時間に働く体制にどんどん近づいていっています。私のような働き方も過去にはなく、多様な働き方も今後はどんどんでてくるのではないかと思います。ここでは働き方のことしか書きませんが、当科は常に変わりゆく組織であり、また5年後には違う様相を呈していると思います。私にはその雰囲気も魅力でした。
最後に
上に書いたような方々に該当される方は、是非当科へお越しください。