研修プログラム・募集要項

医師 編

山口 卒後11年目(現在)
現在:GIM

総合診療科 重症診療班(重症チーム)の山口です。(このエッセイリレーでは2回目の登場です)
この診療班、昨年度まで暫く「救急/HCUチーム」という名称でしたが、本年度から再び「重症チーム」という馴染みのある名称に着地しました。
「まだあわてるような時間じゃない」
これは有名なバスケ漫画『SLAMDUNK』で陵南高校の仙道が、インターハイ予選の湘北戦で窮地に立たされたチームメンバーを落ち着かせた格言です。
主に救急外来、院内急変、他科からの転科を受け入れている当チームですが、救急病床とハイケアユニットを中心に、幅広い病棟で重症診療(critical care)を担っています。患者数にして約5割が敗血症で、患者数×診療日数でいうと7割近くが敗血症です。
一般的な市中急性期病院だと集中治療室(ICU)管理の適応のある症例も含め、重症呼吸不全、痙攣重積、内分泌緊急症(DKA/HHSや副腎不全)、高度電解質異常、出血性ショック、心不全、トキシコロジーなど、診ている疾患や病態もハイボリュームです。
対象患者層ゆえ、喫緊の介入や決断(decision making)を要する局面ばかりの日々ですが、そういった現場だからこそ慌てない、焦らない、メタ認知に基づく内省に重きを置いたスタンスが重要だと感じています。ある意味では、本当に対峙している相手は自分自身なのかも知れない、と思うこともしばしばです。
もちろん “No Stain, No Life !” の精神で、Gram染色や細菌検査室とのコラボレーションを大切に感染症診療の本質を体得してもらうよう、とても厳しく、かつ細やかに指導しています。
また、重症例だからこそ患者さんに寄り添う物語性、日々その妥当性を検討する診断、ベッドサイドで得られる臨床情報や所見が大切であり、刻々と移り行く病態の刹那にアンカリングすることなく、時間軸や動的指標を味方にトレンドを読みとき真の病態に迫ることを初期/後期研修医の先生たちに「感じ取って」もらえれば本望です。
「シンプルさこそ、究極の洗練である」
スティーブ・ジョブズの名言よろしく、複雑で無秩序にもみえる重症病態を、いかにシンプルに考え病態生理に基づく解釈で対応できるか、日々の研修医との対話を通して鋭意開拓中です!


冨山 卒後10年目
(執筆当時)現在:獨協

飯塚病院 総合診療科の冨山です。
飯塚病院には後期研修を修了した後、医師6年目からスタッフとして働かせていただいています。今年で5年目の勤務になります。
こちらで働かせていただいてから、いろいろな経験をすることができました。
主に病棟管理を行っており、Hospitalistとしての成長を実感しています。患者さんから学ぶ姿勢を大切にしたいと思いながら、日々診療を行っています。
当科はスタッフの数も増えており、いろいろな医師と考えを共有することができるのが一つの強みであると思います。若手医師の方で、将来のビジョンがぼんやりとしている方も、刺激を受ける意味では最適だと思います。
より良い医療が提供できる 飯塚病院 総合診療科 を一緒に作って行きましょう。
もし興味があれば、ぜひ見学に来てみてください。


小杉 卒後9年目(執筆当時) 現在:GIM

【市中病院での内科専攻医教育のモデルケースへの道】
総合診療科スタッフで医師9年目の小杉といいます。
私の初期研修医時代は特に具体的な目標もなく日々を過ごしていた初期研修医時代でしたが、「これは見れない」って言わなくて済むような医師になりたいなとは思っていました。
何科になるかも具体的に決められないまま2年目のローテションは色々な科を1ヶ月ずつローテーションしました。どの科をローテーションしても楽しく、色々なことができるようになる喜びを感じていました。その中で、1つの科で色々なことができる科に進めばよいのではと思うようになり、救急や集中治療・外科などを進路として考えていました。そんな中、学生時代に当院に見学に来た際の井村部長の言葉が思い出されました。 それは 「初期研修医よりも後期研修医でうちに来れば全身を見る力がつくと思うよ。」というお言葉でした。その言葉を思い出したので、見学に来てみると、学生時代に見学した際とは全く違って見えました。ここで1年間研修すればとりあえず進路を考える時間ができるし、色々な疾患を経験できそうと思い、1年間のトレーニングコースで後期研修医となりました。
後期研修医になってからは初期研修医時代には経験できなかったEvidenceに基づいた教育体制や豊富な症例、切磋琢磨できるたくさんの同期や厳しくも優しい上級医や先輩方に会うことができ、居心地がよく、気づけば3年のプログラムに入り直し後期3年目にはチーフレジデントもさせていただき、その後スタッフになり今に至ります。
初期研修医時代には具体的な目標もなかった私ですが、今では 飯塚総診に来たらどんな医師でも最低限の病棟管理はできるようになる ような教育システムづくりや、自分たちくらいの学年の医師がどうやれば生活の質を保ちつつ若手医師として修練を続けられるのかなどを日々考え、質改善を行うべく邁進しています。今では、徐々にシフト制に移行することができ、若手スタッフの多くが17時には帰宅の途につけるようになりました。 当科の特徴は、主戦力として働いている若手がAutonomyを持って活き活きと活躍しながら、それを先輩たちが過不足なくバックアップや必要に応じてフィードバックをくれるというところにあると思います。
色々なバックグラウンドをもっている人大歓迎ですし得意分野がある人はそれを活かせる場であると思います。こんな働き方日本でできるのかな?っていうのも当院でなら、どうすれば可能になる・難しければどうやれば近づけられるかを考えられると思います。 私達はもっともっと仲間を求めています。ぜひ、教え・教え合い日々成長できる当科で一緒に仕事をしましょう!


鵜木 卒後8年目
(執筆当時)現在:GIM

総合診療科 スタッフの鵜木です。
主に一般病棟診療を担当しており、初期研修医から数えて飯塚病院8年目となりました。今回は、私の思う飯塚病院 総合診療科の良さのうち、私が最も感謝していることについてお伝えしたいと思います。
それは「その気になれば、たくさんのチャンスを掴める!」です。
飯塚病院 総合診療科は2000年に発足し、今年で21年目であり、日本国内の総合診療科としては歴史が長いです。当科のスタッフは今年度は28名と国内最大級であり、また日本の総合診療界で名を馳せるスタッフが多数在籍しています。そんなスタッフの存在により、以下に述べるような3つのチャンスを掴むことができました。
[1]執筆活動
私は後期研修医の頃から、いくつかの商業雑誌や教科書等へ原稿を書かせていただきました(数えてみたら8件もありました)。本来の私の実力では、とても原稿など書けるはずもありませんが、飯塚病院 総合診療科・スタッフへの信頼があるため、出版社等から執筆依頼が届き、スタッフ監修のもとで、原稿を書くという経験をたくさんいただけました。原稿を書くためには、その事項について知見を深めなければならず、様々な文献に目を通したりすることで、非常に勉強になり、とても良い経験でした。今では、自分が獲得した執筆案件を後輩と共にやっていくようにもなりました。
[2]学会活動・人的ネットワーク
人的ネットワークの形成にも恵まれました。飯塚病院 総合診療科という後ろ盾があるせいか、様々な学会での交流もやりやすかったです。上級医と一緒に学会に行った際には、様々な方に紹介してもらえました。その縁もあり、ACP日本支部のResident Fellow Committeeの立ち上げから携わらせていただけましたし、今年からは、病院総合診療医学会 若手部会の委員にも推薦いただけました。これらも、当科スタッフの人脈から転がってきたチャンスでした。
[3]勉強会立ち上げ
最近、私は福岡GIMカンファレンスという福岡県内の総合診療科を盛り上げるカンファレンスを立ち上げました。これも飯塚病院 総合診療科というバックグランドと先輩・後輩等の協力があってこそできたのだと思っています。
このように、本来の私の実力では到底できなかったであろうことを、飯塚病院 総合診療科の力をお借りすることで経験することができました。本当に感謝しています。私は、転がってきたチャンスを積極的に掴みに行ったので、こういった経験ができたのだと思いますが、そもそもこんなチャンスは普通はなかなか転がってきません。
自分の実力で切り開いていくのも重要だとは思いますが、皆が初めからそんなパワーを持っているわけでもありません。飯塚病院 総合診療科には、このようなチャンスがごろごろ転がっていますので、その気になれば私のように掴みとることができます。
みなさんも、是非そんな飯塚病院 総合診療科で一緒に成長し、様々なチャンスをものにしていきませんか??


片桐 卒後7年目
(執筆当時)現在:救急

重症診療班(救急/HCUチーム)
の片桐です。
重症診療斑は概ね3ヶ月に1回の頻度でメンバーが交代となり、おもに若手の後期研修医に対し、集中治療の考え方や具体的な治療の実践だけでなく、日々シミュレーション教育や、集中治療に関するレクチャーを行っています。
自分は院内のシミュレーション委員会にも所属しており、当チームでは日々CVやPICC、挿管やDAM、NIVなど含む人工呼吸器のシミュレーションを主に行っています。以前は『See one, Do one, Teach one』の精神で自分も育ってきましたが、医療安全が叫ばれるようになった昨今では、『Simulation one, Simulation one, Simulation one』とも言われるほどシミュレーションが重要視されてきています。当院のラーニングセンターは、専属の臨床工学技士や事務がおり、平日の日中は常時使用可能の、シミュレーションを行うにはうってつけの場所となっています。 集中治療チームレクチャーは毎週金曜日の夕方の「振り返り」後に行うレクチャーで、上級医よりレジデントに対し全12回で集中治療の基本をレクチャーします。レクチャーは短時間で、尚且つ最新のエビデンスに基づいた内容をインタラクティブになることを意識してレクチャーを行い、当チームの方針をまとめるようにしています。今時はレクチャーではなく、ディスカッションなど意見を出すことや、Clinical Question形式の自己学習を促す方式を実践していることが一般的になりつつありますが、集中治療の初学者にとってみると、知識不足や苦手意識から意見を出せないケースも多くあり、こういったレクチャーを時折行うことで、チームとしてのコンセンサス作りや、上級医としても知識をUp dateする機会にもなると考えています。
飯塚病院で自分が勤務をするようになってから重症診療班で診療を行うのも合計約1年6ヶ月となりますが、その間にも多くの変革に取り組んできました。具体的にはコメディカルを踏まえた多職種カンファレンス、日々のBy Systemに基づいたProgress noteの改変、シミュレーション教育の導入や整備、デバイスの新規導入やマニュアルの作成、チームとしての輸液のセットメニューの改編の取り組み、LINEを用いた情報共有や患者割り振り方法の検討、回診スタイルの変更などです。
「Risky to change. Riskier not to change」これはアポロ計画で月に行ったことでも知られるジョン・ヤングの言葉です。何かを変えようと思ったときに、賛同者が少ない場合や批判などある場合も多くあるかと思いますが、変えないことへの問題提起として上記を座右の銘として日々取り組んでいます。
※写真は日々のカンファレンス風景のひと場面です。


鈴木 卒後7年目
(執筆当時)現在:ICU

飯塚病院のスタッフの7年目の
鈴木です。
飯塚病院に入職したきっかけは、初期病院で各科をローテートしていた際に何科を研修していても楽しいなと思い、何になりたいのか分からなくなっていました。
当時ネットサーフィンをして福岡という街が好きだったので、そこだけを条件に検索を行い、飯塚病院 総合診療科に行けばなりたい診療科も決まるかな、と思いなんとなく見学に来て門を叩いたのが5年前です。
飯塚病院に来て最も良かったと思う点としては、同期を含め多くの支えてくれる人・チャンスに囲まれていることです。医療スタッフもみんな意識が高く、刺激の多い日々を送っています。
私の同期29人のうち、19人が総合診療科の専攻でした。
今では飯塚病院に残る同期もいれば飯塚病院外で専門家として働いている人もいますが、今でも困ったときに相談できる大事な同期と思っています。また、院外からの研修も積極的に受け入れており、普段であれば交流することのない方とも交流するチャンスがあります。
僕自身が院外研修・勉強会(福岡GIMなどもやっています)・学会などでも院外の多くの方と繋がりを作ることができました。1人で同じ時間でできることは限られているため、つながっていること・相談できることにより質は上がると日々感じています。そして、今後の医師人生でも生かせる『つながり』になるのではないかと思います。
まとめると、人数がいるからこそできていること・得ることができるものがたくさんある研修ができると思います!コロナ禍の中、大変と思いますが興味がある方は是非当院に見学にいらしてください。
現在は、webでの病院見学も行っておりますので、文章では伝わらないこと・お話できないこともたくさんご説明できると思います!