病棟チームの「働き方改革」5つの柱!
1.ナイトシフト制
2012年度までは主治医制(夜間でも主治医の呼び出しの可能性あり)でしたが、2013年度より夜勤1人に夜間の対応を任せるナイトシフト制を導入しました。これにより、夜間の予期せぬ呼び出しがなくなり、安心して休養や勉強の時間などがとれるようになりました。もちろん、夜勤は大変なこともありますが、急な発熱、ショックなどのバイタル変調、心房細動、せん妄などの対応のトレーニングにもなります。2018年度から夜間の診療の質担保や夜間も教育体制を維持することを目的に、専攻医+スタッフの2人体制でのナイトシフトに変更し、病棟対応に加えて夜間の入院受けも担うようになりました。「働くときは働く、休むときは休む」の実現のために、ナイトシフト制は今後も適宜修正しながら続けていくつもりです。ナイトシフト終了後には引き継ぎを行いできる限り速やかに業務終了となります。
2.休日当番制
土日や祝日などの休日は、午前中(8:30-12:30)は当番医が出勤し、その後は休日シフトが対応する体制としています。当番医は2チームあたり1名が出勤するため、だいたい3名が出勤しています。カバーするチームの患者の引き継ぎ事項の対応や病棟対応、新患2-3名(出勤者1名に付き1名程度)の受け入れも行います。休日当番は1-2回/月と少なく、当直も当番も病棟からの連絡もない完全2連休となることも少なくありません。
3.スイングチーム制
スイングは聞き慣れない言葉かと思いますが、米国のホスピタリストのいる病院で採用されることが多い制度です。新規入院患者の入院時の初期評価およびその日の対応のみ行い、翌日以降には他の病棟チームに引き継ぐという業務を指します。新規入院患者はイレギュラーに発生するため、それぞれの病棟チームが、その都度対応していると、既存の入院患者のスケジュールが組みにくいという問題がありました。スイングチームが入院業務を一旦引き受け、翌朝に各チームに引き継ぐことで、安定した病棟チーム運営が可能となりました。このスイングチームは、現在はスタッフチームが担っています。
もちろんレジデントの新入院の評価および初療のトレーニングの機会も担保しています。
4.時差出勤スタッフの配置
スタッフチームのうち1名は、10時~18時30分の時差出勤とし、夕方の新規入院や当直明けでチームリーダー不在のチームのサポートをメイン業務としています。病棟の担当患者はフリーです。こうすることで夜勤明け帰宅の実現や他の病棟チームの仕事が17時までに終えられるようになっています。
5.教育チーム制
当科には、初期研修医の必須ローテーションであるため、1.5ヶ月ごとに2名(以前は4名)の初期研修医の配属があります。以前は、各チームの専攻医に初期研修医を1名ずつ付け、それぞれのチームで研修医への教育を提供していました。ただ、同じようなレクチャーを別々に行うことは非効率であったり、割当患者数が多くなることによる消化不良などの問題もあり、2017年度より教育チームを新たに創設し、そこに初期研修医を集約することで、より効率的な教育体制を構築しました。また、専攻医が研修医への教育を学ぶ場としても機能しており、スタッフからのフィードバックをもらいつつ、指導医として成長してくれています。これまで実現できていなかった本物の「屋根瓦」方式を実践しています。
1日のスケジュール
夜勤者が入院患者の割り振りを行ない朝業務のスタートダッシュが切れるように調整
残業削減でできた空いた時間の有効活用例!
- スタッフA:週1バスケ
- スタッフB:趣味のツーリング
- スタッフC:育児、自己研鑽、英語、教育活動(研究)
- スタッフD:家族と過ごす時間、研究
- スタッフE:育児(風呂、寝かしつけ)、USMLEの勉強、英語