プログラム紹介

先輩の声 - 工藤 仁隆

工藤 仁隆

 僕は大学病院で初期研修を修了し、3年目の後期研修から飯塚病院 総合診療科に入職し、現在はスタッフをしています。大学病院では入局する人が大半を占めていたので、後期研修をすること自体に不安がありました。更に救急外来での診療経験や、未診断の患者を一からワークアップするという経験が乏しかったため、診療面でも不安でいっぱいでした(実際にほぼ何もできない状態でした)。それでも内科医としての臨床能力を確かなものにしたいという思いで、飯塚病院の門をくぐりました。

 僕と同じように自分の知識や経験に自身がない人もいると思います。そのような人は飯塚病院の敷居を高く感じているかもしれませんが(過去の自分はそうでした)、そう感じる必要はありません。当科は日本でも最大級のスタッフ数であり、また全員が研修医教育に興味を持ったスタッフです。経験が少ない人には、それに沿った経験・学習プランを提案してくれます。実際に僕が後期研修の3年間やり遂げられたのは、僕の成長を確認しながらサポートしてくれたスタッフの先生やその当時の後期の先輩方のお陰です。

 また飯塚には、頑張る人を応援する文化や自分の知識を周囲へシェアする文化が根付いています。井村部長がよく仰るのが、「出る杭はもっと出ろ」です。自分のやりたいことを、思いっきりやってください。頑張っている人は我々が全力で応援します。そして自分で経験したことをアウトプットするのが「シェアの精神」です。莫大な医学情報を自分一人で手に入れるのは限界があります。同僚たちと知識や経験をシェアし合うことで何倍もの学習効果があると思います。

 僕の場合は、3年目でEBMに出会いました。それまでは全く興味もなく、むしろ避けていたのですが、自分で知識をアップデートする方法を後期研修医の間に身につけたいと考え、取り組みました。4年目からは院内でジャーナルクラブを開催するようになり、そのファシリテーターや世話人をやるようになりました。それがきっかけで最近では院外のEBM教育に従事する先生とも繋がり、院内全職員向けの勉強会を企画したり、院外の勉強会のお手伝いをできるまでになりました。今は新しい目標として臨床研究に取り組んでいます。自分の臨床疑問を調べるだけでなく、自分で疑問の答えを作っていく楽しみを実感しています。決して自分一人で切り開いたものではなく、当科スタッフや院内の多部署のスタッフが自分の思いを形にすることを手助けしてくれているおかげです。自分も後期研修医の成長を手助けしたいと思っています。共に学び、自分の好きなものを見つけましょう。