看護師の「手」が持つチカラ
- 出身
- 福岡市出身
- 出身校
- ⻑崎大学卒
- 趣味
- 映画鑑賞
患者さんの不安に寄り添う
私が勤務する病棟は、外科系病棟で周手術期の患者さんが多く入院しています。
がんの症状緩和や化学療法のために入院されている方も少なくありません。
ある日、消灯時間が過ぎた頃に病室を回っていると、
「おじいちゃんはどこ?何でみんな来てくれんとね。」と不安を口にしている患者さんの声が聞こえてきました。
私は患者さんのそばにいき、そっと手を当てて「どうされましたか?」と声をかけました。
すると、「あぁ、やっと来てくれた。もうずっと一人で寂しかったのよ〜」と私の方に手を伸ばしながら話し始めました。患者さんは、私のことを家族だと思っているようでした。
5分ほど手を握りながらそばにいると、だんだんと言葉が減っていき、患者さんはいつの間 にか眠っていました。
思い出した大切なこと
―― 看護の看という字は、手と目でできています。患者さんを見て観察するだけでなく、手で触れることも忘れないで下さい ――
これは、私が大学時代に教わり、最も心に残っている言葉です。患者さんの手を握ったとき、その言葉を思い出しました。
家族と離れて一人で夜を過ごし、不安を感じた患者さんの手を握ることで、きっと安心感を与えることができたのではないかと思います。
「まごころ医療」= 患者さんに安心していただくこと
私が考える「まごころ医療」とは、患者さんに安心していただくこと。とにかくこの一言に尽きると考えます。
飯塚病院では、独自に開発した「セル看護提供方式」の導入により、看護師が出来る限り患者さんのそばにいて、より細やかなケアを提供できるよう努めています。
今後も、患者さんの状態を知る「手」と、患者さんに安心感を与える「手」を鍛え、この両手でがんと戦う患者さんに寄り添える看護師を目指していきたいです。