統括部長 西 淳一郎
TEL 0948-29-8036(外来直通)
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診療科の特徴
筑豊地域を代表する急性期病院として、質の高い高度医療を提供することが当科の使命と考えています。循環器専門医研修施設、心血管インターベンション学会研修施設、不整脈専門医研修施設として、医師として臨床の研鑽を積むのにも適した施設です。重症患者に対して当院で治療を完結出来る体制作りを行っています。
- 冠動脈疾患
- 高度石灰化や慢性閉塞病変、多枝疾患など難治性病変に対する冠動脈形成術(PCI)、重症下肢虚血患者に対する末梢血管形成術(EVT)など技術的に高度な血管インターベンションを高い成功率で施行しています。急性心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群に対するPCIは、コロナ禍を通じて減少する傾向は当医療圏では認められず、毎年200例以上の緊急PCI治療を必要としています(2024年: PCI 494例 (うち緊急266例), EVT 84例/年)。
- 不整脈疾患
- 頻脈性不整脈のカテーテルアブレーション(ABL)の件数は年々増加しています。心房細動に対しては、最新技術(2024年~)である「高電場パルス」(パルスフィールドアブレーション:PFA)を用いたカテーテル治療も導入しています。また徐脈性不整脈に対する永久ペースメーカー植え込み(PM)、致死性不整脈に対する植え込み型除細動器(ICD)、心不全に対する両心室再同期療法なども心臓血管外科と協力して施行しています(2024年:ABL 320例, PM 113例, ICD 7例, CRTP/D 9例/年)。
- 構造的心疾患
- カテーテル治療技術の発達に伴い、従来外科的手術を行っていた弁膜症や心筋疾患の一部の病態に対して、最新のカテーテル手術で治療を行っています(2024年:経皮的中隔心筋焼灼術 (PTSMA)1例、 経皮的経静脈的僧帽弁交連裂開術 (PTMC)3例、 経皮的大動脈弁形成術 (PTAV)1例、 経カテーテル的大動脈弁置換術 (TAVI)24例*、経皮的僧帽弁接合不全修復術 (MitraClip)5例* (* 循環器病センター成績))
- 心不全
- あらゆる心疾患の終末像である心不全の制御は最も重要です。心不全の病態改善のために、冠動脈疾患や不整脈に対する侵襲的治療のレベル向上に取り組んでいます。また筑豊地域は高齢の心不全患者が多く、再入院予防のため、心不全の患者教育に力を入れ、退院後も外来での心臓リハビリテーションも併用し、心事故予防に努めています(2024年;心不全373例, 外来心リハ延べ1,888件/年)
また超重症の心筋梗塞/心不全症例に対しては、「補助循環用ポンプカテーテル」(IMPELLA)および「植込み型補助人工心臓」(HeartMate3)を、九州大学病院と連携して導入し、救命および社会復帰に全力を挙げて取り組んでいます(2024年:IMPELLA 14例、HeartMate3 3例*/年(* 九州大学病院植込依頼))。
重症患者に対する貴重な治療経験を糧に、多岐にわたる循環器疾患を適切に診ることが出来る医師を育てることが目標です。2025年度も患者個々への治療最適化、良質な医療提供を目指していきます。
循環器内科News&Topics
- 昨今の循環器医療技術の高度化や診療領域の多角化を受け、統括部長下、循環器内科部長および心不全科部長を配し、診療体制強化を図りました。
- 包括的心不全診療体制強化のため、「心不全ケア科」を「心不全科」に改編しました。
- 川上・大賀および眞柴医師が異動により退職し、2025年4月より稲永医師が循環器内科部長に昇格し、新たに松川医師が心不全科部長として着任しました。
- 筑豊地域唯一の心アミロイドーシス治療薬タファミジス処方認定施設として、2021年より同疾患診療の中心的役割を担っています(2024年:累計40症例)。
- 循環器内科および心臓外科分野に関する診療ガイドラインやTOPICSを、「循環器Up To Date」と題するWEB講演の形で、2021年より筑豊地域の連携病院に配信開始し、これまで30回以上の講演を通じて、地域における循環器診療の一体化と質向上を図っています。
- 循環器病センターレターを発刊し、当センター(循環器内科・心臓血管外科・各コ・メディカル職種)におけるニュースやトピックスの定期的な配信を行っています(オリジナルホームページ内収載)。