後期研修プログラム
外科
基本概念と特徴
近年、外科を取り巻く環境は年々厳しくなっています。特に、外科医を志す若手の医師、学生が減っており、日本の外科医療が危ぶまれています。今後、日本は人口減少が進みますが、65歳以上の高齢者は増加します。それに伴って外科治療を必要とする癌をはじめ様々な疾患の患者さんの増加も予想されます。一方では、外科の領域では、専門化、細分化が進んでおり、いわゆる一般外科医General Surgeonが減ってきています。特に、外科系救急医も全く不足しているのが現状です。このような背景の中、近年、外傷外科、救急外科、集中治療の3つを守備範囲とするAcute Care Surgeryという概念も本邦にも導入され、普及しつつあります。
このコースは、ある意味では昔ながらのGeneral Surgeon総合外科医の基礎づくりを目的としています。多くの大学病院や市中病院でも、外科系の専門化・細分化が進んでおり、General Surgeonのトレーニングができにくくなってきています。もちろん、当院でも専門化した外科系の各診療科がありますが、当院ならではの診療科間の垣根の低さと連携の強さを武器に、外科系各科のトレーニングを提供し、幅広い臨床力とスキルを身につけていただきたいと思います。
現在、基本領域専門医取得を目指すためには専門研修プログラムで研修を行う必要がありますが、専門医取得にこだわらず外科系の経験を積みたい方、スキルアップやキャリアアップを目指す方に向けて本コースを提供しています。
本コースは、以下のような人に適していると考えています。
- 外科系に進むことは決めているが、まだ専門科を決めきれていない方
- 消化器内科や肝臓内科を目指しているが、手術を含めた手技にも興味のある方
- 手術もケモも、内視鏡もIVRも、幅広く何でもできるようになりたい方
- 医師へのキャリアチェンジをされた方。短期間で経験症例を増やしたい方
- 働く地域にこだわらず、経験を積みたい方
- 多少きつい研修生活だけれど、がんばれる方。また、そこに充実感を感じられる方
- とにかく多くの症例を経験したい方
など
外科系研修プログラムの概要
医師として、また外科系医師としての考え方、手技などの基本を学びつつ、消化器・一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科の基本4科はもとより、救急科、整形外科、麻酔科、集中治療部など、ひとりひとりの将来の希望にそったオーダーメイドのプログラム構築が可能です。また、必要な短期国内留学なども可能です。例えば、全国の多くの施設では外傷外科手術は激減しています。外傷外科手技の習得には、短期間でも他のハイボリュームセンターでの研修を導入しています。
- 研修期間
- 1年(延長可)
- 応募資格
-
何と言っても熱意!
今までの経験、学生時代の成績、出身校などは一切選考基準にしません。
特に、医師へのキャリアチェンジをされた方は、当院の症例数で短期間で経験値を上げられると思っています。 - 募集人数
- 若干名。短期間で十分な症例数を確保します。
ローテーションパターンの1例を示します。希望に沿って診療科やローテーション期間を決定します。
<例>
- 4月
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- 9月
- 10月
- 11月
- 12月
- 1月
- 2月
- 3月
- 外科(消化管外科)
- 外科(肝胆膵)
- 心臓血管外科
- 呼吸器外科
- 外科(乳腺)