部長 安田 学
TEL 0948-22-3800(内線:5324)
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診療科の特徴
I. 診療概要
飯塚病院呼吸器外科は日本呼吸器外科学会の基幹施設です。安田 学、篠原伸二 に呼吸器腫瘍外科の近石泰弘を加えた呼吸器外科専門医3名、および専門医を目指している 武 伸行の 計4名で、肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫などの腫瘍性疾患、膿胸、肺化膿症、肺結核などの炎症性疾患、自然気胸、胸部外傷、重症筋無力症など多岐にわたる呼吸器疾患に対して手術を中心とした治療を行っています。
II. 手術実績
2021年の手術数は297例、うち肺がん手術は154例(内視鏡手術118例77%)でした。コロナウイルス感染拡大に伴い変動がありましたが、この5年間(2017~2021年)の年間手術数は300例前後、肺がん手術数は年間150例前後です(図1)。

III. 手術内容
2021年の呼吸器外科手術 297例の内訳は、肺がん 154例、自然気胸 27例、転移性肺腫瘍 19例、縦隔腫瘍 17例、膿胸 23例、等です(表1)。うち内視鏡(胸腔鏡)手術は 208例(70%)に行っています。
- 1. 肺がん
- 【手術成績】 2021年の肺がん手術数は 154例で、うち内視鏡手術が 118例(77%)でした。2021年の肺がん手術症例の平均年齢は73歳 、75歳以上の高齢者が 61例(40%)、最高齢は90歳で高齢者の割合が年々増加しています。術後の在院日数は8日(中央値)、1ヶ月以上の入院を要したのは3例(1.9%)、手術死亡は認めませんでした。5年生存率(図2)は手術全体で74%、病期1A期(大きさ3cm以下でリンパ節転移がない肺がん)で84%、病期3A期(縦隔リンパ節に転移がある肺がんなど)で57%です。
【手術適応と術式】 肺がん診療ガイドラインに準じ、基本的には病期1A期から3A期までの患者さんに手術を行います。手術のアプローチ方法には内視鏡手術(ロボット支援手術・胸腔鏡手術)、および開胸手術があります。個々の患者さんの状態(がんの進行度と全身状態)を慎重に検討して選択しますが、約8割程度の患者さんに内視鏡手術を行っています。早期肺がんには根治的縮小手術(区域切除や部分切除)、また進行肺がんには拡大手術と術前化学放射線療法をエビデンスに基づき積極的に行っています。
- 2. 気胸
- 安静や胸腔ドレナージで改善しない気胸は手術が必要です。また再発した気胸や初めての気胸でも程度が重症な場合は手術をお勧めしています。内視鏡手術のよい適応 で手術後は通常2~3日で退院になります。
- 3. 転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍
- 転移性肺腫瘍は原発巣がコントロールされているなどのいくつかの条件を満たせば肺転移巣の切除で良好な予後が得られます。他にも縦隔腫瘍(胸腺腫など)を含め、その多くを内視鏡手術で行います。
- 4. ロボット支援内視鏡手術
- 2022年1月より肺がん・縦隔腫瘍に対してロボット支援内視鏡手術を開始致しました。現在この手術は「ダビンチ」という機械を使用して行われています。「ダビンチ」には4本のアーム(手)があり、それに付けられたカメラと3本の鉗子(手術器具)を体内に挿入し、執刀医は3Dモニターを見ながら座ってロボットを操作します。執刀医の細かな手の動きをコンピューターが忠実に伝え、アームが連動して手術を行う仕組みです。従来の胸腔鏡手術と比較しロボット独自の機能によって、正確で安全な手術が期待できます。
- 5. ハイブリッド手術(コーンビームCT撮影併用内視鏡手術)
- 当院では2018年10月にハイブリッド手術室が完成しました。このハイブリッドとはCT検査装置と手術台が組み合わさったことを表します。つまり手術を行いながらCT撮影も行うことができ、カメラで見えない小さな肺がんの位置をCT画像で確認でき、的確に内視鏡下に切除することが可能となりました。2021年は69例の手術を行い、いずれの小さな病変も内視鏡下に完全切除できました。
呼吸器外科News&Topics
- 2021年の手術数は297例、うち肺がん手術は154例で、この5年間(2017~2021年)の年間手術数は300例前後、肺がん手術数は年間150例前後です。
- 積極的に低侵襲手術(体に負担の少ない内視鏡手術)を行っています。2021年は全手術の70%、肺がん手術の77%が低侵襲手術でした。
- 2022年1月より肺がん・縦隔腫瘍に対してロボット支援内視鏡手術を開始しました。従来の胸腔鏡手術に加え、低侵襲手術(体に負担の少ない内視鏡手術)の選択肢が増えました。
- カメラで見えない小さな肺がんに対しては、ハイブリッド手術室において内視鏡手術を行っています。2021年は69例の手術を行い、いずれの小さな病変も内視鏡下に完全切除できました。
- 呼吸器病センターとして、呼吸器腫瘍外科、呼吸器内科、呼吸器腫瘍内科との連携を密にしながら呼吸器疾患の集学的治療を行っています。
診療実績
外来担当スケジュール
呼吸器外科 紹介状必要
医師名 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
安田 学 |
○ (交代制) |
○ (交代制) |
○/● | ||
篠原 伸二 |
○/● |
○ (交代制) |
○ (交代制) |
||
近石 泰弘 |
○ (交代制) |
○ (交代制) |
○/● |
○:初診 ●:再診
※ご紹介は【呼吸器病センター】【呼吸器内科】【呼吸器外科】のいずれでも結構です。