TEL 0948-22-3800(内線 2204)
診療科の特徴
漢方薬を用いた診療が中心ですが、院内外の他科とも連携して東西医学を融和した医療を目指しています。所属医師は総合診療医を目指しています。西洋医学的には一般内科、アレルギー科、地域医療などの経験者がいます。
基本方針は次の4項目です。
- 漢方医学的治療を重視:漢方医学的な病態把握(証)に基づく漢方治療を第一選択とします。 漢方製剤(エキス剤)はもちろん、漢方薬元来の姿である生薬(煎じ薬)を用いています。
- 現代医学的な病態把握を重視:各種の臨床検査を実施し、現代医学的な診断と経過を評価します。
- 現代医学的治療の併用:東西両医学を融和した新たな医療の実践を目指し、他院・他科との併診など、現代医学との併用を行っています(従来実施中の診療は続行し、漢方診療面のみ当科に併診される患者さんも多く受け入れています)。
- 外来、入院、病理解剖まで、一貫した診療:外来はもちろん、病棟診療を重視し、病棟でも院内漢方調剤室で煎じた漢方薬を用いて治療しています。
漢方診療の適応となる主な病態には次のものが挙げられます。
- 複数の病態が混在し、多剤服用を余儀なくされている場合
- 副作用などで西洋医学の治療が適応困難な場合
- 原因のわからない疾患や病態が明らかでない場合
- 原因の病態が分かっていても治療方法が確立していない場合
- 標準的な治療で効果が不十分な場合
- 冷え性・虚弱など体質に起因する場合
- 術前・術後の心身への侵襲、免疫力等の低下がある場合
具体的には膠原病(関節リウマチ、強皮症、全身性エリテマトーデス等)などの全身性炎症性疾患、肝炎・腎炎・大腸炎などの炎症性疾患、糖尿病・肥満などの生活習慣病、頭痛・めまい・しびれなどの脳神経外科・耳鼻咽喉科疾患、慢性呼吸器疾患、アレルギー性疾患、更年期症候群などの自律神経失調・月経困難や不妊などの婦人科疾患、難治性皮膚疾患・泌尿器科疾患、肩こり・腰痛・関節痛などの整形外科疾患や、易感染性・冷え性・食欲不振・虚弱体質など体質に基づく不健康状態が対象になります。
漢方診療科News&Topics
当科のホームページでは、患者さん向け、医師向けに分けてコンテンツを更新しております(漢方診療科:https://aih-net.com/kanpo/)。2017年末にリニューアルして、スマートフォン等からでも見やすくなりました。勉強会(筑豊漢方研究会・麻生飯塚漢方治療研究会)の情報などもあります。
また当科で推進している「和漢食(玄米菜食)」の啓蒙のための「和漢食料理教室DVD」の1~4巻を院内ハッピープラザ(売店)およびホームページで販売しています(定価2,000円+税/各巻)。食養生に興味のある方に利用していただければと思います。和漢食を用いた体重コントロールも徐々にではありますが増加傾向です。
また宮崎大学・大分大学・産業医科大学・熊本大学などの学生実習や、院内外の医師の漢方見学・実習を数多く受け入れています。漢方の専門誌「漢方の臨床」では「飯塚病院 月曜カンファレンス 臨床経験報告会より『最近の治験・知見・事件!?』」の投稿が130回を越えました。また第一薬科大学・福岡大学薬学部・長崎大学医学部・産業医科大学・福岡県立大学看護部の講義を担当しています。