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胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になって無秩序に増殖を繰り返すことで生じます。
胃がんの原因は未だ不明ですが、一般には“ヘリコバクターピロリ菌”・“過剰な塩分摂取”・“喫煙”の3つの要因が有力であると考えられています。
早期の胃がんでは症状が無いことが多く、代表的な症状としては、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃がん特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍(いかいよう)の場合でも起こります。嘔吐や貧血、食事がつかえる、体重が減るなどの症状は、多くの場合、進行がんとなった段階で現れます。しかも胃がんには確実な予防法は無く、早期診断・早期治療のみが最良の対処法です。
胃がんの場合、転移の無い早期がんが発見されてから、近くにある大腸や膵臓などの周辺臓器への広がりや他臓器への転移を来し始めるがんに発育するまでの期間は、おおよそ3年と推測されています(がんの種類によりその速度は異なります)。この転移の無い早期がんの時期に発見し、適切な治療を行えば根治可能です。定期的(年1回が理想)に人間ドック、中でも胃内視鏡検査を積極的に受け、早期診断・早期治療に繋げることで胃がんから身を守るよう努めましょう。
胃がんの治療法には、内視鏡的治療・外科的手術・化学療法(抗癌剤治療)などがありますが、胃がんの進行状態により選択できる治療法が異なります。転移の可能性が極めて低い早期の胃がんでは、内視鏡による治療が可能です。一方、転移がある、またはその可能性がある場合の胃がんでは、外科的手術・化学療法といった治療が選択されることになります。
地域がん診療連携拠点病院である飯塚病院では、治療経験豊かなスタッフを中心に、主に内視鏡的治療・外科的手術・化学療法に加え、緩和ケアといった治療を行っています。
当科では、まずは早期発見、早期治療、そして、できる限り患者さんにやさしい低侵襲治療(体への負担が少ない治療)を心がけるとともに、進行した状態にある場合に関しても、集学的な治療を駆使して再発を防ぎ、さらに生活の質が維持できるような治療を行っていきたいと考えております。