飯塚病院 中央検査部

中央検査部 > ご利用の皆様へ > 肺機能検査

肺機能検査

肺機能検査とは

 肺の主な働きは、吸った空気(吸気)から酸素を血液に取り込み、全身で産生され不要になった二酸化炭素を吐いた空気として排出することです。呼吸機能検査は、息を最大限吸ったり吐いたりできる量(肺活量)や息の速さ(息の通りやすさ)を測定したり、肺に取り込まれる酸素の量を測定します。呼吸機能の検査は痛みを伴うことはありませんが、他の検査と異なり検査結果は患者さんご自身の努力の程度に大きく依存します。肺活量は年齢・性別・体格によって異なるため、検査前には身長・体重の測定を行います。そこから検査の予測値を計算し、実際の測定値と比較します。検査時間は項目によって異なりますが、通常は約15分、精密検査で約1時間です。

検査でわかること

  • 機能異常の有無
  • 機能異常の部位(気道、肺実質、中枢、末梢気道など)
  • 異常の定量的評価や時間的変化

などです。しかし、肺機能検査は肺の機能評価を行うものであり、解剖学的、病理学的、細菌学的な評価をするには、画像診断や組織診断、気管支鏡検査など他の臨床検査が必要となります。

検査項目

  • 肺活量の測定:ゆっくりと最大に息を吸気した状態から最大限に息を呼出させて得られる肺容量変化のことです。
    VC予測式(年齢18~80歳):〔Baldwin〕
    男[27.63-(0.112・年齢)・身長]
    女[21.78-(0.101・年齢)・身長]
    検査方法
    [1]まず楽に何度か呼吸します。
    [2]そのまま息を吐きます。吐けるところまで頑張ります。
    [3]吐けなくなったら、今度は息を胸いっぱい吸います。
    [4]息を吸えなくなったら、また息を吐けるまで出し切ります。
    ※性別・年齢・身長から求めた標準値に対するVCの割合を%VC(対標準肺活量)と表します。
  • 努力肺活量の測定
    最大吸気位からできるだけ早く最大吸気をさせて得られる肺気量のことです。
    検査方法
    1. まず楽に何度か呼吸します
    2. 胸いっぱい息を思いっきり吸います。
    3. ティッシュを飛ばすような感じで、いっきに息を吐き出します。
    4. そのまま吐けるまで息を吐き続けます。

    最大吸気位からできるだけ速く最大努力呼気をさせて得られるこの努力呼気曲線の最大吸気位から最大呼気位までの肺気量変化をFVCと言います。努力呼気開始から一秒間の呼出肺気量を一秒量(FEV1)と言います。また性別・年齢・身長から求めた標準値に対する割合を%FEV1(対標準1秒量)と言います。このFEV1をFVCで除したものを1秒率と言います。一秒率≧70%が正常です。
  • 機能的残気量の測定
  • 肺拡散能力の検査
  • 気道可逆性検試験:気管支を広げる薬を吸入し、吸入前後の検査値から薬の効果を判定する検査です。

検査を受ける際の注意点

薬の効果を見る検査では、前の日(24時間)から薬を止めていただくことがあります。

正常 or 異常の判定

正常:
肺活量(VC)≧80%、一秒率(FEV1/FVC)≧70%
閉塞性換気障害:
%肺活量(VC)>80%、一秒率(FEV1/FVC)<70%
拘束性換気障害:
%肺活量(VC)<80%、一秒率(FEV1/FVC)>70%
混合性換気障害:
%肺活量(VC)<80%、一秒率(FEV1/FVC)<70%

このページの一番上へ