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今年度、中央検査部と感染管理センターは合同で「血液培養検査における検査前プロセスの適正化」をテーマにTQM活動を実施し、第33回TQM発表大会において最優秀賞を受賞いたしました。
血液培養検査(血培)は、敗血症や菌血症などの血流感染症診療に不可欠な検査です。現状調査で、以下の問題点が明らかとなりました。
血培の採取量には適正量が定められており、それを逸脱すると偽陰性や検査時間の延長リスクがありました。そこで今回は「適正量採取率100%」を目標に掲げました。
要因を大きく以下3点に絞り、対策を実施しました。
| 要因 | 対策の概要 | 対策の詳細 |
|---|---|---|
| 手技・手順 | 採取サポート体制の確立 | 血培の採取機会が少ない部署(全9部署)を対象に、ICNと臨床検査技師が採取やルートキープ、またそれらの補助を実施。 |
| 環境・ツール | 採取サポートツールの開発 | 採血したい採血管を選択すると、合計採取量や各分注量、分注順番、その他注意事項が一覧表示されるツールをExcel VBAを用いて開発し、院内へ公開。 |
| 知識・意識 | 血培の理解度向上 | 院内向けに血培の意義や手技に関する教育を実施。 |
対策の結果、適正量採取率は活動前の48.6%から、対策後は78.0%に向上しました。目標値100%には至りませんでしたが、活動前の約1.41倍に増加しました。対策後に不適正量となった全11本のうち10本は±1mL以内の僅かな過不足であり、適正量から大幅に外れた検体はほとんどありませんでした。また汚染率と陽性率は共に改善し、検査精度の向上に寄与できました。
採取サポート体制に対して、現場の看護師さんからは多数の感謝のお言葉をいただきました。今後も継続して情報発信するとともに、管理指標をモニタリングしながらより高い水準で血培を運用できる環境整備に努めてまいります。
