飯塚病院 栄養部

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脱水と塩分

7月に入り、暑い日が続いていますね。皆さんの体調はいかがでしょうか?
今回はこの時期によく耳にする「脱水と塩分」をテーマにお話ししていきます。

汗と塩分濃度について

 「脱水予防」といえば、何を摂ると良いイメージがありますか?大多数の人は「水分」そして「塩分」と答えるのではないでしょうか。しかし、近頃は健康情報を扱うテレビ番組や本・雑誌に「減塩」という見出しをよく目にしませんか?脱水予防として、「塩分を意識して摂取する」ことは本当に必要なのでしょうか?
 人の汗は約99%が水分です。肝心の塩分はというと、実は汗の塩分濃度は一定ではありません。なぜかというと、汗を作り出す汗腺には汗から塩分を再吸収するという仕組みがあるのです。
 つまり少量の汗なら、塩分が回収されてしまうため汗の塩分濃度は極めて低くなります。大量の汗をダラダラかくときは、塩分の回収が間に合わないため塩分濃度は上昇するのです。一般的に運動時の汗の濃度は0.3~0.9%で変化するといわれています。
(参考:https://no-shukketsu.com/salinity_of_sweat/)

塩分摂取量の目安

 厚生労働省が目標としている1日あたりの塩分摂取量は「男性:8g女性:7g」とされています。また高血圧学会が推奨している1日あたりの塩分摂取量は「1日6g未満」です。
 厚生労働省が行った平成25年国民健康・栄養調査より、日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は「男性:約11.1g 女性:約9.4g」であることがわかりました。つまり、高血圧がない人でも1日で約2~3gの塩分を余分に摂取しているということになります。先ほど説明したように、汗腺には汗から塩分を再吸収するという働きがあるため、食事をきちんと食べている方は、日常生活でかく程度の汗(通勤、買い物、家事など)では余分に塩分摂取を行う必要は少ないと考えられます。
(参考:https://www.muen-genen.com/html/page32.html)

スポーツ飲料は脱水予防に良い?

 夏は脱水予防のため、スポーツ飲料を水分補給として飲んでいるという方もいませんか?実はスポーツ飲料には塩分をはじめとするミネラルだけではなく、糖分も多く含まれていることをご存知でしょうか。とあるスポーツ飲料にはペットボトル中1本(500ml)あたり約31gの糖質が含まれていました。
 ご飯軽く1杯(100g)の糖質量は37.0g、食パン1枚(6枚切り)の糖質量は26.6g、100%オレンジジュース紙パック1本(250ml)の糖質量は21gです。スポーツ飲料の飲みすぎは「糖尿病」につながる可能性もあり、水分補給はミネラルも含まれている麦茶などで行うことをお勧めします。
糖質の量
 以上のことより、脱水予防のためと、むやみに塩分やスポーツ飲料を摂ることはお勧めできません。特に塩分制限が必要な方は、自己判断ではなく「担当の医師や管理栄養士に相談」を行い塩分の調整を行うことをお勧めします。

文責:中村 瑞穂

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