TEL 0948-22-3800(代表)
診療科の特徴
当科は、「あらゆる疾患で痛みを抱えている患者さんが、筑豊地域でも高度なペインクリニック診療を受けられる環境を作る」ことを目標に取り組んでいます。
痛みには、身体に生じた異常事態を知らせる警告反応として大切な役割があります。しかし、警告の役割を終えた痛みが長く存在すると、私たちの生活の質(Quality of life:QOL)を低下させてしまいます。ペインクリニックでは、薬物療法や神経ブロック療法などを用いて痛みを和らげ、QOLの維持と向上を目標に治療を行います。痛みの治療にあたっては、患者さん一人ひとりの身体的状況やライフスタイルを考慮して治療方針を計画します。
- 薬物療法
- 今までの痛み止めを使っても効果がない痛みには、あなたの痛みに合ったお薬を見つけて治療します。
- 神経ブロック療法
- 痛みの原因となっている神経を抑えて痛みを治療します。また、血液の流れを改善することで軽減する痛みもあります。
- その他の治療法
- 理学療法、認知行動療法などがあります。
特徴① がん疼痛に対する神経ブロック
がん患者さんの70-80%が痛みを感じていると言われています。がん疼痛の治療は薬物療法が基本とされていますが、10-30%で十分な治療が難しい場合があります。その場合、神経ブロックが有効なことがあります。
がん疼痛に対する神経ブロックは、がんの治療中の患者さんにも行うことができます。当科では、連携医療・緩和ケア科や治療医と連携し、がんによる痛みが生じた段階で神経ブロックが可能か検討するようにしており、特に膵がんの痛みに対する内臓神経ブロック(腹腔神経叢ブロック)は、消化器内科の医師と連携して早い段階で実施するように努めています。
がん疼痛に対する神経ブロックを実施している施設は全国的にも少ないですが、当科は日本でも有数の実施件数を誇ります。

特徴② 慢性疼痛に対する神経ブロック
現在は積極的には行っていませんが、今後は神経ブロックのうち、高周波熱凝固法やパルス高周波療法の導入を検討しています。
ペインクリニック科News&Topics
2019年4月より当院の連携医療・緩和ケア科に在籍し、主にがん疼痛に対する神経ブロックに取り組んできました。そして、2025年4月よりペインクリニック科として設立されました。現在はがんによる痛みの診療を中心に行っていますが、今後はそれ以外の疾患による痛みの診療にも取り組んでいきたいと考えています。
現状、ペインクリニック外来は行っておりません。がんによる痛みの相談は、連携医療・緩和ケア科を通じてご相談ください。それ以外の疾患による痛みの相談は、院内紹介患者限定で可能な範囲で対応させていただきます。