TEL 0948-22-3800(内線:5215)
診療科の特徴
外来・入院診療を、本村院長を含めた6人体制で行っております。診療対象の中心は、肝癌治療が主体となりますが、B型肝炎、C型肝炎を初め、あらゆる原因の肝炎、肝硬変、肝不全の治療も行っています。
肝癌治療に対しては特に力を入れており、当科最大の特徴として、肝細胞癌に対する内科的根治術であるラジオ波焼灼術を、CT装置を備えた血管造影室で施行しています。これにより治療後即座に焼灼範囲を確認し、焼灼不足があればすぐに追加焼灼を行うことが可能となったため、より安全に効率よく治療が行えるようになりました。
また、手術やラジオ波焼灼術などの根治的治療が難しい進行肝癌に対しては、他科との連携を図りながら、化学療法、放射線治療、血管造影、リザーバー動注療法など、患者さんの病状および背景を考慮した最適の方法で実施しており、肝癌に対する一通りの標準的治療は飯塚病院で行うことが可能です。
最近では、胆道癌(胆管癌、胆嚢癌)に対する新しい化学療法も積極的に取り入れており、切除不能胆道癌に対しても、可能な限りの治療を行うよう努めています。
また、治療方針は必ずカンファレンスで決定するようにしており、治療経過や治療変更に関しても適宜報告し、必要に応じてスタッフ全員で検討するなど、治療が一人の医師に偏らないよう、診療内容の透明化と情報の共有に努めています。
さらには、学会発表、論文作成と言った学術活動も積極的に行い、謙虚に学ぶ姿勢を常に忘れないことで、直鞍・筑豊地域の患者さんに可能な限りの治療を届けたいと考えています。
肝臓内科News&Topics
これまで、切除不能肝細胞癌に対しては、ソラフェニブ(ネクサバール®)、レンバチニブ(レンビマ®)など分子標的剤が最新の全身化学療法でしたが、2020年にはじめて免疫療法であるアテゾリズマブ・ベバシズマブ(テセントリク®・アバスチン®)併用療法が承認され、他臓器の癌と同様、本格的な免疫治療時代を迎えました。現在では、テセントリク・アバスチン併用療法に加え、2023年春からは、デュルバルマブ・トレメリムマブ (イミフィンジ®・イジュド®)併用療法が使用可能になりました。
また、放射線治療科の協力の下、2022年6月より当院でも放射線治療装置のひとつであるサイバーナイフが稼動し、従来の放射線治療よりも高精度で癌への高線量の照射が可能となり、高齢や基礎疾患のため、手術やラジオ波焼灼術が受けられない患者さんでも、肝癌に対して根治をめざした放射線治療が可能となりました。