We Deliver The Best -まごころ医療、まごころサービス それが私達の目標です- 飯塚病院 innovate and evolve 飯塚病院 innovate and evolve

サイト内検索

部長 松川 龍一
TEL 0948-29-8036(外来直通)

診療科の特徴

 心不全は循環器疾患の中でも最も多い疾患であり、さらに再入院を繰り返す疾患です。再入院を抑制することは患者さんの予後を改善するだけでなく、医療経済的にも大きな意味を成します。再入院予防のためにはガイドラインに基づいた至適な薬物治療の導入、さらには個々の患者さんの病態に応じた非薬物治療による介入が重要です。当科ではすべての心不全患者さんにおいて最適化された治療が提供できるような取り組みを行っていきます。
 また、再入院の要因として大きいのが塩分摂取過剰や服薬中断といった「患者要因」です。この患者要因に介入するためには医師による治療のみではなく、メディカルスタッフによる多職種チームでの介入が必須となります。患者さんには多様なバックグラウンドがあり、その人生観までも考慮したケアが重要になってきます。
 心不全は進行すると治療抵抗性となり、緩和ケアの導入も必要になってきます。しかし、緩和ケアの導入のためにはACP(Advanced care planning:意思決定支援)が重要です。しかし、ACPは心不全末期になってからDNARを取るために行うものではなく、比較的早い段階から標準治療と共に開始するものになり、患者教育に含まれるものになります。このようなACPの開始時期の決定などは週1回開催する多職種カンファレンスなどで決めていきます。多職種チームでの介入は心不全の初期段階から末期までシームレスに続いていくものです。心不全の再入院を予防するために大きな効果があるのが心臓リハビリテーションです。当科では入院中の心臓リハビリテーションの導入はもちろんのこと、外来での心臓リハビリテーションも充実させていきます。
 心不全はすでにcommon diseaseと呼ばれており、その発症予防の段階から地域の先生方との連携が非常に重要になります。心不全発症予防の緩和医療の段階まで地域で包括的に心不全患者さんを診ていく「心不全地域連携」に対しても注力していければと思っております。

 

心不全科News&Topics

  • 当科でのHST(ハートサポートチーム)はこれまで終末期医療の充実を主な目的としていましたが、これからは循環器内科医師、連携医療・緩和ケア医師、慢性心不全認定看護師、薬剤師、PT、MSW、その他心不全療養指導士の資格を持ったメディカルスタッフなどでHSTを構成し直し、心不全発症の予防から標準治療の最適化、そして緩和ケアまで心不全のステージ全般に渡る介入を行っていきます。
  • これまでと同様、毎週月曜日に心不全カンファレンスおよび患者教育のための心臓病教室は拡大した上記メンバーで継続してまいります。

診療実績