- 2016.03.18
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子宮頸がんってどんな病気?
子宮は骨盤の下側に位置する臓器。鶏卵程度の大きさで、子宮の下から3分の1を子宮頸部、残り3分の2を子宮体部と呼びます。この子宮頸部にできるがんが子宮頸がんです。子宮頸がんは子宮がんの7割を占めるがん。初期の自覚症状はほとんどなく、おりものや不正出血などの症状は病気がある程度進行してから出現します。子宮頸がんの原因のひとつはヒトパピローマウィルス感染。このウィルスに感染しても大抵は自然に排除されますが、10%程度は子宮頸部にウィルスがそのまま定着し、そこでがん細胞になる前の状態の細胞(異形成細胞)を増殖させます。その細胞が長い期間を経て、子宮頸がんへと進行していきます。
20歳代でも診断される!子宮頸がんの罹患率と死亡数
厚生労働省の調査によると、一生のうちに子宮頸がんと診断される方の割合は、およそ74人にひとり。2014年には2,902人の方が子宮頸がんが原因で命を落としています。子宮頸がんと診断される年代のピークは30~40歳代。けれども、最近では20歳代でも診断される方が急激に増えてきました。今では、子宮頸がんは20~30歳代の女性がかかる最も多いがんとなっています。
- ドクターより
検診受診率と発見率
子宮頸がんは20歳代での発生率が高く、検診も20歳から受けられます。けれども、年齢が若いうちの検診受診率はまだまだ低めです。厚生労働省の調査によると、子宮頸がん検診の受診率は42.1%。そのうち、20歳代の受診率はわずか22.2%程度です。
2014年に子宮頸がん検診を受けた方は402万1,402人でした。その受診者のうち、2.03%の方が要精密検査となり、さらにその3.77%の方から子宮頸がんが発見されています。子宮頸がんのさらに詳しい説明や当院で行っている治療については、こちらをご覧ください(リンク:女性の病気「子宮頸がん」)。
子宮頸がんは予防できる!検診のススメ
性交渉の経験があれば、ヒトパピローマウィルス感染の可能性は誰にでもあります。そのため20歳を過ぎたら子宮頸がん検診を受け、がんの早期発見につとめましょう。異形成細胞の段階で発見できれば、子宮頸がんへの進行を予防できます。受診の頻度は2年に1回。子宮頸がんは比較的ゆっくりと進行し、異形成細胞から進行がんになるまでに2~3年程度。そのため、検診の間隔が2年に1回でもがんの早期発見には有効といわれています。当院ではレディースドックによって女性特有のがんに対する検診を行っています。詳しくは「予防医学センターHP」をご覧ください。