子宮筋腫

どんな病気?

子宮筋腫とは、子宮に筋肉の良性の瘤(こぶ)(筋肉の固まり)ができた状態です。子宮筋腫は良性腫瘍でがんなどの悪性の病気ではないため、筋腫があるからといってすぐにに治療の必要はありません。しかし、子宮筋腫の大きさや場所によっては月経痛や月経過多、不妊や流産の原因となることがあります。そのような場合には原因となっている子宮筋腫を取り除く治療が必要になります。

また、特に症状がなくても子宮筋腫があることで出産の際に赤ちゃんの出口を塞いでしまうことがあります。そうなると出産時に帝王切開になることがあるため、特に妊娠を希望される女性は事前に婦人科検診を受診し、子宮筋腫がないかどうかを確認しておくと安心です。

どんな症状?

子宮筋腫であっても症状がなく、治療の必要がない、という方も多くおられます。

症状としてよくみられるのは、上記に挙げた月経痛や月経過多以外に、月経量の増加による貧血、周囲の臓器を圧迫することによる便秘や排尿障害などです。

飯塚病院での治療

治療法は子宮筋腫だけを摘出して正常な部分の子宮を残す“子宮筋腫核手術”と、“子宮全摘出”の2つです。

子宮筋腫だけを取り除く手術法は子宮筋腫のある場所によって異なります。子宮の内側にあり、比較的サイズが小さい場合は“子宮鏡下手術”といって、お腹を切らずに子宮の入り口から内視鏡を使い子宮筋腫を摘出します。子宮の外側あるいは子宮の筋肉内にある場合は“腹腔鏡下手術”といって、お腹に数ヶ所の小さな穴を空け細長い棒状の医療機器(腹腔鏡)とカメラを挿入して、モニターでお腹の中を見ながら子宮筋腫を摘出します。どちらも従来のお腹を切る開腹手術と比べ、傷が小さく済み身体への負担も少なく、術後の妊娠も可能です。ただし、筋腫のサイズが大きかったり、数が多い時などは腹腔鏡下手術ではなく、最初から開腹手術を選択する場合も有ります。

また、腹腔鏡手術の手術中に予期しない出血や悪性腫瘍が見つかった場合などは、お腹を切る開腹手術へ移行する場合や子宮摘出となる場合もあります。

早期発見・早期治療のために

子宮筋腫が出来た初期の段階は自覚症状が無いことが多いため、早期発見には定期的な婦人科検診が大切です。もし子宮筋腫が見つかっても特に治療の必要が無い場合がほとんどです。しかし、子宮筋腫は急激に大きくなる場合もありますので、筋腫が見つかった場合は定期的に婦人科検診を受けて経過を観察しておくと安心です。

ドクターからのアドバイス

治療が必要でないことも多いのですが、放っておくと妊娠や出産の妨げになったり、月経過多などにつながるケースもあります。検診などで子宮筋腫を指摘された場合は、かかりつけ医での経過観察を欠かさないようにしましょう。