2018年12月13日から15日の3日間、インドアンドラプラデシュ州ヴィシャカパートナムにて開催された「The 4th WHO Global Forum on Medical Devices(GFMD)」に、公益社団法人臨床工学技士会の代表として参加しました。前回に続き2回目の参加です。GFMDはWHO(世界保健機構)が、医療機器に視点をおき、主に発展途上国における医療の向上を目的とし開催している会議で、今回は「医療機器へのアクセスの向上」をテーマに議論が行われ、90の国と地域から1,000名を超える参加がありました。
今回は、Andhra Pradesh MedTech Zone (AMTZ)のオープン記念行事も兼ねていたようで、インド政府やアンドラプラデシュ州政府の大臣など、多くの要人も招かれており、金属探知機に手荷物検査、自動小銃による警備など、物々しい雰囲気での開催でした。AMTZは、同政府、州が多額の資金を投じ、世界的な医療機器開発の拠点を目指して整備されている区域で、広大な敷地に関連施設の整備、建設が進められています。
フォーラムですが、前回は周産期に関連するテーマが多かったのですが、今回は前述の事情もあり、医療機器開発や教育に関するトピックが多く議論されました。また、低中所得国での医療機器へのアクセスがテーマであることから、IT、特に既存のインフラである携帯電話網やスマートフォンを活用したデバイスや遠隔医療などの紹介も多くなされていました。インドはスタンフォード大学が提唱するバイオデザインをいち早く導入した国でもあり、ニーズ発、現場発の開発の重要性を訴える発表が多く聞かれたことも印象的でした。
全体を通じてAccessible, Affordable, Acceptable, Available, Sustainableといった言葉が頻繁に使われており、開発や支援が有効かつ実践的で、継続可能なものとなる活動の必要性が訴えられていました。私からも「臨床工学技士の教育制度」、「医療機関での医療デバイス開発」についての2題を発表し、ユニークで先進的な日本の取り組みに対し、多くのご意見やご質問をいただきました。
今回のフォーラムでも世界の医療機器に関わる多くの方々と直接意見交換を行うことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
文責 井桁 洋貴