臨床工学部 > 高気圧酸素治療室
高濃度の酸素を用いて大気圧よりも高い気圧環境の中に患者さんを収容し、病態の改善を図る治療です。
他の全ての酸素療法は、いかに効率よく血液のヘモグロビン(Hb)に酸素を結合させるかをめざした治療法です。したがって、Hbが完全に酸素によって飽和された後は、それ以上の酸素を生体に供給することはできません。
これに対し、高気圧酸素療法は、ヘモグロビンと結合しない血液中の溶解酸素を増加させるため、Hbが酸素によって飽和された後も、さらに酸素を供給することが可能になります。このような多量の溶解型酸素を利用して各種の低酸素症を改善し、また治療に効果をあげようとする治療法が高気圧酸素療法です。
発症後1か月以内に行う場合に、一連につき7回を限度とする
当院の治療室写真
写真のような装置(一人用タンク)に患者さんに入っていただきます。
[1] 口の中に唾液を少しためる。
[2] 軽く息を吸って止める。
[3] そのまま鼻をつまむ。
[4] 鼻をつまんだまま唾液をごくんと飲み込む。
[5] 鼻をつまんだままいきむ。
以上を繰り返してください。
耳が痛くなる時間は、加圧の10分~20分のみです。
その他の時間は、テレビを見られたり、眠られたり・・・ごゆっくりお過ごしください。
治療中、アースバンド(静電気を逃がすバンド)を腕に装着させていただきますが、それ以外は、寝返り等、自由に動かれて結構です。
高気圧酸素治療を安全に実施するため、治療前に毎回所持品、衣類の点検、検査をさせていただきます。
治療時間は、約80分~100分となります。途中でトイレに行くことができませんので、治療前にトイレを済ませておいてください。
タンク内の声は、外に聞えています。外からも随時声を掛けていきます。
なにかあった場合には、遠慮なさらず早めに教えてください。