2025年6月27日・28日に、すみだ保健子育て総合センター(東京都墨田区)で開催された第59回日本高気圧潜水医学会に参加し、当院で実施した「高気圧酸素治療加圧時の耳痛発生状況に関する調査」について演題発表を行いました。初回治療や加圧初期、70歳以上の患者で耳痛の発生が多い傾向を具体的に可視化することで、診療の中で患者さんに実際に起きていることを把握し、より良いケアへとつなげる必要性を報告しました。
また、他施設での経験症例や基礎研究の発表からも多くの知見を得ることができました。特に、当院でも治療を行っている一酸化炭素中毒に関する報告では、治療開始が早いほど効果が高いという既知の知見に加え、発症から初回の高気圧酸素治療開始までの時間が6時間を超えると遅発性神経症状の発症リスクが高まる可能性があることが示されており、今後も迅速かつ安全な治療体制の重要性を改めて認識しました。
今回、初めての研究と発表の機会を通じて、他の演題を聴講する際に、統計やデータ解析の観点からも学ぶことができ、大変貴重な経験となりました。この経験を今後の診療にも活かし、日々の臨床において常に課題意識を持ちながら、PDCAサイクルを意識した高気圧酸素治療の実践に努めてまいります。
文責:S・K