- 2017.07.14
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妊活中や妊娠初期に発見されるケースが増加!
多くの場合、子宮筋腫には自覚症状がほとんどありません。そのため、妊活や妊娠による検査をきっかけに、はじめて子宮筋腫の存在に気付く方も多いようです。
子宮筋腫は赤ちゃんを育む器官・子宮の腫瘍ですから、赤ちゃんを望む方は不安を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、子宮筋腫が妊娠や出産にどのように影響するのかについてご紹介いたします。
女性特有の子宮筋腫、どんな病気?
子宮筋腫とは、子宮内の筋肉にできる良性の腫瘍のことをいいます。
「腫瘍」と言っても、がんのように転移をしたり、周囲の組織を壊しながら増殖したりすることはありません。周囲の筋肉を押しのけるようにして増大するコブのような腫瘍です。
子宮筋腫は30代女性で20~30%、非常に小さなサイズのものも含めれば女性の約70%が持っているといわれるほど有病率の高い疾患です。
30代から50代にかけて子宮筋腫の発生や増大のリスクが高まりますが、閉経とともにそのリスクは小さくなります。これは、子宮筋腫の発生に女性ホルモンが影響しているからだと考えられています。
子宮筋腫の代表的な症状には、以下のようなものがあります。
- 月経困難症
- 過多月経
- 不妊
- 腹部の圧迫症状
- 便秘
これらの症状は子宮筋腫以外の疾患でもみられることがありますので、症状のみで自己判断せずに医療機関で診察を受けるようにしましょう。
子宮筋腫は妊娠にどう影響する?
筋腫のできている位置によって妊娠への影響の仕方は変わってきますが、子宮筋腫があること自体が大きな問題となるケースはそう多くありません。
ただし、子宮筋腫は女性ホルモンの分泌の影響を受けますので、大量の女性ホルモンが分泌されている妊娠中には、子宮筋腫が何らかの変化を起こすケースもあります。
例えば、妊娠中に子宮筋腫が増大することで、流産や早産、子宮内胎児発育遅延(IUGR)、前期破水、常位胎盤早期剝離などのリスクが高まったり、赤ちゃんが子宮筋腫に押しやられて逆子になったりすることもあります。
また、妊娠中に子宮筋腫の変性や壊死が起こると強い痛みや発熱が生じ、流産や早産の原因となる場合もあります。
普段は目立った自覚症状がない場合でも、妊娠中は慎重に経過を観察する必要があります。
次回【Vol.2】では、子宮筋腫について、妊娠中の治療の可否や出産への影響などについてご紹介します。