食後の眠気は病気のサイン!?糖尿病の初期症状とは? Vol.1

イメージ:体形に悩む女性

  • 2018.03.02
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    強い眠気が長時間続くのは病気のサインかも

     食事の後、うとうとと眠気に襲われることがありませんか?食後に眠くなるのは、体内時計の生体リズムが働くためとか、消化吸収を促すため副交感神経が優位になり心身がリラックスモードに切り替わるからなど、いろいろな説があります。
     少しくらいの眠気なら、健康な人にもある自然な現象と言えそうです。ただし、強い眠気が長時間続いてしまうときは要注意。もしかしたら糖尿病の初期症状かもしれません。

    血糖値を下げる働きをするインスリン

     糖尿病は、血液中のブドウ糖がたくさん増えてしまう病気です。食事で摂取した炭水化物などの糖質は、腸で分解されブドウ糖として吸収される仕組みになっています。ブドウ糖は血液によって細胞に運ばれ、エネルギーとして使われたり、脂肪として蓄えられたりします。
     このとき、ブドウ糖を細胞に導き入れる手助けをしてくれるのが、膵臓から分泌されているインスリンというホルモンです。
     通常、血糖値は食後穏やかに上昇し、インスリンの働きで食後2時間後くらいには元に戻ります。ところが、膵臓の機能低下でインスリンの分泌量が少なくなったり、運動不足などの要因でインスリンが働きにくくなったりすることがあります。そのため血液中のブドウ糖を減らすことができず、血糖値を一定の範囲に抑えられなくなります。この症状が糖尿病です。
     進行すると過剰な糖によって血管が傷つき、将来的に心臓病や網膜症による失明、腎不全など、慢性合併症を起こします。

    ドクターより

    低血糖の状態は糖尿病の前兆

    イメージ:眠そうな猫

     食後の強い眠気は、なぜ糖尿病の初期症状と言われるのでしょうか。まず疑われるのは、低血糖との関係です。糖質の食べ物を大量に急いで食べたとき、急に増えた血中のブドウ糖を処理しようとして、インスリンが過剰に分泌されてしまうことがあります。過剰に糖分が処理された結果、逆に糖分が足りなくなって低血糖に。脳にも栄養が行き渡らなくなるため、強い眠気に襲われます。インスリンの過剰な分泌は膵臓の負担になり、糖尿病の前兆と見られています。

     次回【Vol.2】では、高血糖の原因と考えられているホルモンや糖尿病の初期症状をご紹介していきます。
     【Vol.2】へ続く

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    監修: 飯塚病院 内分泌・糖尿病内科

    イメージ:内分泌・糖尿病内科

     当科では、若い女性の発症が多いバセドウ病などの甲状腺機能異常や腫瘍への専門的治療を行う内分泌分野に力を入れています。甲状腺だけでなく、副甲状腺や下垂体などで起こる内分泌疾患は健康診断でのエコー検査が増えたことで見つかることが多くなってきています。それら内分泌疾患に対する負荷試験を行い、診断・治療へつなげています。
     また、糖尿病分野では、多職種でのチーム医療を実践して患者さんへの教育による血糖自己管理の支援を行うほか、負担なく身体に張りつけて血糖測定を行う装置の導入なども進めています。

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