不妊症の原因にもなる子宮内膜症。その治療法は?予防できる?

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  • 2016.09.16
目次

    不妊症の原因にもなる子宮内膜症ってどんな病気?

     子宮内膜症ってどんな病気か知っていますか?子宮内膜とは子宮の中にあって、妊娠した時に赤ちゃんの粒が子宮にくっつく際のベッドになる部分のことです。妊娠しなければ月経の際に出血として剥がれ落ちます。子宮内膜症は子宮内膜やそれに似た組織が「子宮内膜以外の場所」で出来て増えてしまう病気です。「子宮内膜以外の場所」で出来て増えた子宮内膜やそれに似た組織は月経のたびに内出血を繰り返し、のちに様々な症状となって現れます。この病気のピークは30代から40代で、閉経を迎えると良くなっていくことが多いです。生殖年齢女性の10%に存在すると推測され、近年増えてきていると言われています。不妊症の原因の一つともされており、子どもを希望している女性にとっては注意したい病気です。

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    子宮内膜症の原因は?どうして増えているの?

     子宮内膜症となる原因ははっきりとわかっていません。ただ、この病気にかかる女性が増えているのには次の理由があると考えられています。

    • 早熟化により初潮が早まっている
    • 妊娠・出産回数の減少
    • 晩婚化と晩産化

     これらは「月経回数が増える」ということを意味します。結婚する年齢が若く、子どもを多く持つ時代の女性は、現代の女性よりも月経回数は少なかったと言われています。子宮内膜症は月経を繰り返すほど進行していきます。そのため、現代女性に多くなっているのだと考えられています。

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    子宮内膜症でみられる症状、そして治療法について

     この病気でよくみられる症状は、月経痛です。下腹部や腰部が痛くなる人もいます。痛みは排便時や性交時にも感じる人がいますが、自覚症状がない人もいます。そのほかには不正出血などがあり、症状の重さや病状の進み具合はさまざまです。妊娠を希望する女性の1割程度は子宮内膜症だと言われており、その中には子宮内膜症によって「不妊」になっている人もいます。
     では、子宮内膜症になったらどのように治療するのでしょうか。子宮内膜症の治療は大きく分けると「薬による治療」か「手術による治療」です。症状の程度、病気の重症度、年齢、妊娠を希望しているかどうかも治療法を選ぶ大切な要素です。薬の治療では、鎮痛剤で痛みを和らげたり、ホルモン剤(いわゆるピル、または内膜症専用のピル)などで症状を軽くします。手術治療では、主に腹腔鏡という内視鏡を使った方法で行われますが、卵巣などに溜まった古い出血を袋ごと取り除いたり、内出血斑を焼き潰したりします。妊娠を希望しない場合には、根治性を期待して卵巣や子宮を取るという方法もあります。

    子宮内膜症は予防できるの?

     子宮内膜症はその発症の原因がはっきり分かっていないので、予防法は特にありません。「ない」というよりも、正確には「今のところ分かっていない」という方が適切でしょう。もし子宮内膜症にかかってしまった時はきちんと治療し、定期検査をしっかり受けてからだの変化を見逃さないようにしましょう。

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    女性に増えている子宮内膜症。予防法がないということには驚きです。不妊症の原因にもなりうるので、もしかかってしまったら早くきちんと治しておきたいですね。

    監修: 飯塚病院 産婦人科

    当科では、妊娠や分娩はもちろん、良性・悪性の婦人科腫瘍、不妊症や内分泌異常を対象とした不妊内分泌領域、すべてに対応しています。また、筑豊地域唯一の総合周産期母子医療センターとして、ハイリスク母体搬送の受入れ、緊急手術や超早産児の診療にも24時間体制で対応しています。年間の分娩数は約600例、手術症例数は約800例と、福岡県内の大学病院に匹敵する症例数を誇っています。

    女性の良性疾患 手術数:九州・沖縄 第10位(249件/年)
    乳がん 手術数:九州・沖縄 第15位(129件/年)
    (手術数でわかる いい病院2017|朝日新聞出版)

     

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