- 2017.09.08
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2つの女性ホルモン
エストロゲンとプロゲステロン
女性の体と心の健康に大きく関わっている女性ホルモン。近年、PMS(月経前症候群)が注目されるようになったことで、女性ホルモンやそのバランスについて関心を持つ女性がさらに増えてきています。
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあります。エストロゲンは、女性らしい体を作ったり、子宮内膜を厚くするだけではありません。実は脳や筋肉・骨・自律神経の働き・代謝など、生きるために必要な機能にも関わっているホルモンなのです。
一方、プロゲステロンは受精卵が子宮内で着床できるように子宮内の環境を整え、着床した後は妊娠継続のために子宮を良い状態に保つ働きをします。また、体に水分を溜め込んだり食欲を増進させる役割も担っています。
女性ホルモンのバランスってどうなっているの?
エストロゲンとプロゲステロン、2つの女性ホルモンの分泌量はいつも同じではありません。約1ヶ月という期間の中で、それぞれ分泌が増える時期があるのです。例えば月経周期が28日の人の場合、月経が始まった日から7日目あたりからエストロゲンの分泌量は増え、13日目頃にピークとなります。エストロゲンの分泌量がピークを迎えた翌日頃に排卵があり、その後は分泌が一旦減ります。そして20日頃から5日間ほど再び分泌量が増え、その後2~3日かけて減り次の月経を迎えます。
プロゲステロンは、排卵が終わった後から徐々に分泌量が増え始め、排卵後にエストロゲンの分泌量が増えて来る時期と同じ頃にピークを迎えます。そして、エストロゲンと同じように分泌量が減っていきます。
ホルモンバランスが乱れている状態とは
では、よく耳にする「ホルモンバランスが乱れている」とはどのような状態を言うのでしょうか。ホルモンバランスが乱れる原因には2つのパターンがあります。
それは、[1] 女性ホルモン分泌そのものが正常に行われていない、[2] 女性ホルモンを分泌するように指示する器官に障害があるため分泌の指示ができない、ということです。この2つの原因があると2つの女性ホルモンが正常に分泌されず、ホルモンバランスが乱れてしまいます。
- 女性ホルモン分泌そのものが正常に行われていない
2つの女性ホルモンは卵巣から分泌されています。万が一卵巣に病気があるなど何かしらの異常があると卵巣がうまく機能せず、ホルモンの分泌はうまくいかなくなってしまいます。 - 女性ホルモンを分泌するように指示する器官に障害があるため分泌の指示ができない
女性ホルモンは卵巣だけでなく、脳にある視床下部と脳下垂体も大きく関わっています。視床下部が脳下垂体へ、そして脳下垂体が卵巣へと順番に指示を出すことで、卵巣は女性ホルモンを分泌できるのです。そのため、視床下部と脳下垂体がうまく機能していないと卵巣が正常であっても女性ホルモンをうまく分泌することができません。脳は病気だけでなく、体や心のストレスの影響も受けやすいとされています。
次回【Vol.2】では、ホルモンバランスが乱れて現れる症状、受診のタイミング、ホルモンバランスを保つために気をつけたいことなどについてご紹介します。
【Vol.2】へ続く