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部長 高瀬 敬一郎
TEL 0948-29-8055(外来直通)

診療科の特徴

 脳神経内科は脳・脊髄・末梢神経・筋肉を障害する疾患を対象としています。受診される患者さんの症状で多いものは、頭痛、しびれ(感覚障害)、めまい、脱力(麻痺)、歩行障害、ふるえ、意識障害、けいれん、言語障害、物忘れなどです。神経内科で取り扱う疾患は、脳梗塞、髄膜炎・脊髄炎・脳炎、認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、重症筋無力症、てんかん、頭痛、脊髄疾患、末梢神経疾患、筋疾患など多彩です。

 飯塚病院脳神経内科では、入院患者の8割以上が急患入院であり、神経救急の診療が主体です。特に脳卒中の急性期治療に力を入れております。脳卒中のうち脳出血とクモ膜下出血は脳神経外科が担当し、脳神経内科が脳梗塞を担当します。病歴、診察所見、画像検査などにより正確な病型診断を行ったうえで適切な治療法を選択しています。発症後4.5時間以内に搬送された患者さんには超急性期血栓溶解療法(tPA静注療法)を行っています。さらにカテーテルを用い直接血管内の血栓を回収する超急性期血栓回収療法を行っています(脳神経外科と共同)。ただし発症後6時間以内の患者さんが対象で、全ての患者さんが適応というわけではありません。

 ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、重症筋無力症に対する免疫グロブリン大量静注療法も行っています。多発性硬化症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症などの神経難病の診療にも取り組み、福岡県重症神経難病ネットワークの筑豊地区の基幹病院ともなっています。

 当科は、日本神経学会教育施設、日本脳卒中学会研修教育病院として認定されており、頻回の回診やカンファレンスなどを通じて初期・後期研修医などの教育に力をいれています。

脳神経内科News&Topics

 当科では現在までに478人の患者さんに脳梗塞に対する超急性期血栓溶解療法(tPA静注療法)を行ってきました。2022年には計23人の脳梗塞の患者さんに行いました。重度の麻痺や失語症が劇的によくなるという奇跡のような治療ですが、発症から4.5時間以内に治療を開始しないといけませんし、しかも開始が遅いと効果が落ちます。また出血の危険性が常にあり、致死的になる可能性もある薬剤ですので、両刃の剣だという認識を持っておくことが大切です。さらに脳梗塞急性期患者に対し、カテーテルを用い直接血管内の血栓を回収する脳血管内治療の有用性が明らかになっています。当院でも2017年度から脳神経外科の協力の下、脳梗塞急性期における血管内治療を開始しました。発症後6時間以内の患者さんが対象で、全ての患者さんが適応というわけではありませんが、今後脳梗塞に対する画期的治療法であることは疑いがありません。2022年度は、超急性期血栓回収療法を24症例行いました。また重度の後遺症を残しかねない心原性脳塞栓症に対する予防薬として、新たな抗凝固薬がスタンダードになりつつあります。旧来の予防薬であるワーファリンは、定期的に採血検査を行い効果があるかを判定する必要がありましたが、これらの薬剤は1日に1~2回の内服のみで検査が不要になりました。とはいえ、濃度の調整が出来ない、弁膜症や機械弁の患者さんには使用できないなどと完全な薬ではありません。
 さらに今まで効果のはっきりした治療法の無かったギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、重症筋無力症、多発筋炎といった免疫が介在する神経難病に対する免疫グロブリン大量静注療法も適応が拡大され、使用出来る薬剤が増えてきております。また難治のてんかんや再発する多発性硬化症にも投薬可能な新規薬剤が続々登場しています。

専門外来

物忘れ外来

 当科は急性期医療が中心ですが、時代のニーズに応えるべく、物忘れの診断サービスを行っております。物忘れの原因としてはアルツハイマー型認知症やその前段階状態が最多ですが、治療可能な疾患が隠れている場合もあります。加齢による健忘なのか、認知症なのか、判断に迷うような患者さんをご紹介いただければ、神経心理検査、頭部MRI、脳血流シンチ、血液検査を行い、診断をいたします。
 ただし、当科で行っているのは診断のみであり、診断後は、かかりつけ医にてフォローアップや投薬治療を行っていただくことを原則としています。また、物忘れ外来の予約は大変混み合っていることをご了承ください。お急ぎの方には他の信頼できる病院をご紹介することも可能です。

てんかん外来

 高校生以降のてんかんの診断と治療を行っています。てんかんの原因は胎児期異常、出生時異常、遺伝子異常、頭部外傷、脳炎、脳卒中、認知症、脳腫瘍など様々ですが、最も多いのは原因が不明なものです。当科では脳波、脳MRI、脳血流シンチなどを用いて、てんかんの診断、治療、生活指導を行っております。特に最近はてんかん患者と運転の関連が注目されており、その点に関しても指導を行っています。また近年、新規抗てんかん薬が相次いで発売されており、以前は難治であったてんかんに対する新たな治療となっています。ただし治療が難しい例は当科で行いますが、非常に安定している例の場合はかかりつけ医のもとで加療を行っていただくことがありますのでご了承ください。

ボトックス治療

 眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸に対して、ボトックス(ボツリヌス毒素)による治療を行っています。

診療実績

外来担当医師