飯塚病院 臨床工学部

臨床工学部 > 高気圧酸素治療室について

メカニズムと装置の紹介

高気圧酸素治療とは・・・

高濃度の酸素を用いて大気圧よりも高い気圧環境の中に患者さんを収容し、病態の改善を図る治療です。

 他の全ての酸素療法は、いかに効率よく血液のヘモグロビン(Hb)に酸素を結合させるかをめざした治療法です。したがって、Hbが完全に酸素によって飽和された後は、それ以上の酸素を生体に供給することはできません。
 これに対し、高気圧酸素療法は、ヘモグロビンと結合しない血液中の溶解酸素を増加させるため、Hbが酸素によって飽和された後も、さらに酸素を供給することが可能になります。このような多量の溶解型酸素を利用して各種の低酸素症を改善し、また治療に効果をあげようとする治療法が高気圧酸素療法です。

高気圧酸素療法の対象となる疾患

救急的なもの(発症7日以内に行う場合)

  • 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む)
  • ガス壊疽
  • 空気塞栓又は減圧症
  • 急性末梢血管障害
    • 重症の熱傷又は凍傷
    • 広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
    • コンパートメント症候群又は圧挫創症候群
  • ショック
  • 急性心筋梗塞その他の急性冠不全
  • 脳塞栓、重症頭部外傷若しくは開頭術後の意識害又は脳浮腫
  • 重症の低酸素性脳機能障害
  • 腸閉塞
  • 網膜動脈閉塞症
  • 突発性難聴
  • 重症の急性脊髄障害

非救急的なもの(救急的なもので1週間を超えたものを含む)

  • 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  • 難治潰瘍を伴う末梢循環障害
  • 皮膚移植
  • スモン
  • 脳血管障害、重症頭部外傷又は開頭術後の運動麻痺
  • 一酸化炭素中毒後遺症
  • 脊髄神経疾患
  • 骨髄炎又は放射線壊死

 飯塚病院では突発性難聴や腸閉塞、歯科領域における骨髄炎の治療を多く行っておりますが、その他にも保険適応疾患はございますので、お気軽に主治医までおたずねください。

治療について

当院の治療室写真

 写真のような装置(一人用タンク)に患者さんに入っていただきます。

  • 純酸素100%の気体で大気圧の1気圧から2気圧まで加圧します。
  • 加圧に10分~20分を要し、その後2気圧にて、60分間治療を行います。
  • 治療後、10分~20分かけ減圧を行い終了となります。
  タンク内に入り3分~5分すると、耳が少し痛くなることがあります。
  飛行機に乗った時や高い山に登った時、列車でトンネルに入った時のような症状です。
  耳が痛くなった場合には、次のようにしてみてください。

[1] 口の中に唾液を少しためる。
[2] 軽く息を吸って止める。
[3] そのまま鼻をつまむ。
[4] 鼻をつまんだまま唾液をごくんと飲み込む。
[5] 鼻をつまんだままいきむ。 

以上を繰り返してください。

 耳が痛くなる時間は、加圧の10分~20分のみです。
 その他の時間は、テレビを見られたり、眠られたり・・・ごゆっくりお過ごしください。

 治療中、アースバンド(静電気を逃がすバンド)を腕に装着させていただきますが、それ以外は、寝返り等、自由に動かれて結構です。

 高気圧酸素治療を安全に実施するため、治療前に毎回所持品、衣類の点検、検査をさせていただきます。
 治療時間は、約80分~100分となります。途中でトイレに行くことができませんので、治療前にトイレを済ませておいてください。

 タンク内の声は、外に聞えています。外からも随時声を掛けていきます。
 なにかあった場合には、遠慮なさらず早めに教えてください。

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