- 2020.05.01
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緊急事態宣言から3週間。外出自粛の中で出社される方もリモートワークの方も疲れを感じてくる時期です。見慣れたはずの街はゴーストタウンのように見え、新緑の季節とのこのギャップ。禍が明ける日は来るのかしら…と、なす術もなく考えてしまうことも。
そもそも、5月は新生活がんばろう!とはりきっていた時期を越え、心身の疲れがたまる時期。「だんだん慣れてきた」とEnjoy your stay homeをうたう声に、実はそんな前向きになれない…。
私たちはこの落ち着かない状況と、どう付き合っていけばよいのでしょう。
まずはリズムを整え、情報量をコントロール
そもそも、異例続きの今、“落ち着きのなさ”や“怖さ”を感じることはごく当たり前の反応です。
早く目が覚める・寝つきが悪い、不快な夢が増えたなど、睡眠の変化はありませんか。リモートワークでも朝は着替えてモードを変えて生活のリズムを整えましょう。また、不安が高まると、人は次々に新しい情報を求めてしまいがちですが、実はそれほどの新情報はないことも。寝る前のスマホは止めて、気になっていたアロマやトリートメントを入眠の1ステップとして取り入れ、脳と体に「今から寝るよ」とお知らせするのも手です。いつものリラクゼーション方法がある方は普段より長めに。ニュースはできれば朝か21時の1回等、まとめてチエックがお勧めです。
体のこわばりは心のサイン
この1ヶ月、肩や背がこわばっていませんか。
ストレスは一度の強い衝撃よりも小さく続く方が、ダメージは蓄積し、体の不調として現れることも。不安を消し去ることは難しくても、体のこわばりをほぐすことはすぐにトライできます。お風呂にゆっくりつかり、がんばらないリフレソロジーやストレッチをしてみましょう。疲れ切って動けない時は、お風呂あがり、横になったまま5分間の腹式呼吸でOKです。この間にいろいろな心配事が頭に浮かぶ場合は、常に思考が働いて脳が休めない状態なのかもしれません。体からほぐしてみましょう。
今だからこそ、好きだったことを思い出し、つながりを確かめよう
今思えば、好きな場所に好きな時に行けていたのは何と自由だったことか。いつになったら…と待つだけの時間は辛く感じるもの。
そんな時はアルバムを眺めて、昔訪れた場所やお気に入りの時間を思い出して。それは誰にも消せることのない、確かに存在するあなたの豊かな時間です。そして遠くにいる友人や知人にもラインやメールを送ってみましょう。こんな時期ですから、意外に相手も、どう声をかけていいかわからないと思っているかもしれませんよ。今だったら「無事ですか」という一言でも伝わります。
いかがでしたか。人が不安になる理由のひとつには、自分ではどうしようもない‘操縦不能’という怖さがあるそうです。まずは、自分でコントロールできることからひとつひとつ実行してみましょう。そして、これまでの自分ができていることを思い出し確かめていきましょう。気持ちが塞ぎ、イライラして誰かを責めたくなってしまう時は、「あぁ、私、今弱ってるんだな」とまずはご自分を労ってあげてくださいね。(臨床心理士/公認心理師)