- 2016.04.21
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大腸がんってどんな病気?
大腸は主に水分の吸収と便の形成を担っています。大腸は全長1.5~2メートルで、この大腸の粘膜にできるがんを大腸がんと呼びます。日本人の食生活が欧米化したことにより、大腸がんにかかる人は年々増えています。比較的ゆっくり進行するので早期にはあまり症状が見られません。進行すると腹痛、便秘や下痢、排便時の出血や便が細くなるといった症状が現れます。さらに進行すると周辺のリンパ節や他の臓器にがんが転移してしまいます。
大腸がんの罹患率や死亡数は?
大腸がんにかかる人は増加しており、今ではがんによる死亡者数の第2位となっています。男性は約11人に1人、女性では約14人に1人が大腸がんにかかっています。
大腸がんによる死亡者数は4万8,485人(2015年11月厚生労働省統計による)となっています。
大腸がん検診ってどんな検査?
大腸がん検診には、便潜血検査と全大腸内視鏡検査があります。
がんやポリープなどは出血しやすいので、便潜血検査はその血液を検出する検査です。この検査が陽性になると、原因を詳しく調べるために全大腸内視鏡検査を受けることが必要になります。便潜血検査は手軽で安価な検査ですが、全大腸内視鏡検査よりも精度は劣ります。
全大腸内視鏡検査は、大腸を内視鏡カメラで観察する方法です。直接見ることによってがんやポリープの発見、診断精度はかなり高くなります。大腸の中に便があると観察ができないので、検査前に大腸を空っぽにしておく必要があり、前日からの食事制限や下剤の内服などの準備が必要です。
検診率や発見率はどうなの?
大腸がん検診の受診率は、40~69歳の方(厚生労働省のがん対策推進基本計画による受診率算定年齢)で男性が41.4%、女性では34.5%です。
便潜血検査が陽性の場合には全大腸内視鏡検査による精密検査を行うわけですが、最初の便潜血検査において進行がんの約80%、早期がんの約50%が発見できると言われています。
なお、便潜血検査で陽性となった方のうち20%の方にポリープが、また2~3%の方に大腸がんが発見されると言われています。
定期的な大腸がん検診で健康を維持しよう
検診は一度受けて何も見つからなければ、それで大丈夫ということではありません。毎年受けることで、万が一がんにかかっていても早期に見つかりますので完治の確率が高まります。また、大腸がん検診ではがん化する前のポリープなども見つけることができ、切除することでがんの予防にもつながります。検診についてはコチラで詳細をご覧いただけます。
がんを予防するには、健康的な日常生活を送ることも大切です。節酒、禁煙、適度な運動、適正体重の維持、食生活の見直し(肉食や脂っこいものを控え、野菜や海草など食物繊維を多く摂るなど)、この5つがポイントです。定期的な検診と併せて、健康を維持していきましょう。
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