妊婦さんの悩み!妊娠中におきる便秘を改善するには?

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  • 2016.06.17
目次

    女性の心身を大きく変化させる妊娠

     お腹や乳房のふくらみなど、妊娠をきっかけに女性のからだにはさまざまな変化が現れます。これは赤ちゃんを健やかに育てるために必要なことなのですが、中にはつわりや気持ちの揺らぎなど、ママにとってはちょっとつらい症状が出る場合もあります。今回はその中でも、多くの方が悩む妊娠中の便秘についてご紹介したいと思います。

    ドクターより

    妊娠中に起こる便秘、その原因

     妊娠中はいつもより便秘になりやすい状態です。その原因として考えられているものをご紹介しますね。

    • 黄体ホルモンの影響
      妊娠中は子宮の収縮を抑える働きのある黄体ホルモンが分泌されています。ただし、この黄体ホルモンは腸の動きを抑えるようにも働くので、便秘となってしまいます。
    • 大きくなった子宮が腸を圧迫
      お腹の中のスペースは限られていますから、子宮が大きくなるにつれて近くにある腸を圧迫し始めます。そうなると、子宮が便の移動を妨げたり、便が溜まったという刺激に対する反応が鈍くなったりします。
    • 自律神経
      妊娠中はホルモンバランスの変化によって自律神経も不安定に。排便もこの自律神経によってコントロールされているので、便秘に傾きやすくなります。
    • 運動不足
      妊娠前ほど活動しなくなるため、腸の動きも鈍くなります。

    妊娠中の便秘対処法

     妊娠中の便秘は、日頃の生活習慣の改善が大切です。

    • 食生活
      規則正しい食生活を心がけ、便秘に効果的な食材を日々の食事に取り入れてみましょう。
    • 生活習慣の見直し
      トイレにゆっくり座る時間を作るように心がけましょう。また、医師に確認しながら適度な運動を行うようにしましょう。
    • 緩下剤の使用
      下剤で子宮収縮が誘発される危険があります。市販の薬ではなく、必ず医師から妊娠中でも使える薬を処方してもらいましょう。

     頑固な便秘になってしまうと、必要以上にいきんだりして赤ちゃんに負担をかけてしまいます。最近お通じが出にくいなと感じたときから、早めの対処することが大切です。

    便秘改善に効果が期待できる食べ物

    イメージ,乳製品

     最後に、便秘改善効果が高く、妊娠中でも安心な食べ物や飲み物をご紹介します。

    • きのこ類、海藻、こんにゃく、プルーン、黒豆茶など
      水溶性食物繊維を多く含み、整腸作用が期待できます。
    • 牛乳、ヨーグルト、チーズ
      乳製品に含まれるラクトースに便秘改善効果があります。
    • オリーブオイル
      一回大さじ1~2杯程度と多めに摂取することで、吸収されないまま大腸までとどいて便の滑りをよくします。サラダにかけたり、ジュースに混ぜるのがおすすめ。ハイカロリー食材なので摂りすぎには注意しましょう。

     

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    編集者より

    妊婦さんの実に7割ほどの方が悩まれている妊娠中の便秘。赤ちゃんとママの健やかな生活のためにも、便秘の改善に努めましょう。

    監修: 飯塚病院 産婦人科

    当科では、妊娠や分娩はもちろん、良性・悪性の婦人科腫瘍、不妊症や内分泌異常を対象とした不妊内分泌領域、すべてに対応しています。また、筑豊地域唯一の総合周産期母子医療センターとして、ハイリスク母体搬送の受入れ、緊急手術や超早産児の診療にも24時間体制で対応しています。年間の分娩数は約600例、手術症例数は約800例と、福岡県内の大学病院に匹敵する症例数を誇っています。

    女性の良性疾患 手術数:九州・沖縄 第10位(249件/年)
    乳がん 手術数:九州・沖縄 第15位(129件/年)
    (手術数でわかる いい病院2017|朝日新聞出版)

     

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