女性に多い「ドライマウス」 口臭の原因にも!? 原因と予防、治療法を紹介

イメージ,口臭

  • 2017.01.06
目次

    女性に多いドライマウスの症状とは?

     ドライマウスは女性に多い口腔疾患のひとつ。主に唾液分泌量の低下が原因で口の中が乾いてしまう状態で、次のような症状が現れます。

    • 口の中が乾燥している
    • 唾液があまり出ない
    • 口臭やねばつきがある
    • 唇の端がひび割れを起こす
    • 口内炎がよくできる
    • パンなど水分の少ない食べ物が飲み込みづらい

     これらの症状があっても、日常生活に支障がなければ未受診のまま過ごしてしまいがち。しかし、ドライマウスをそのままにしていると、唾液がもつ自浄作用が十分に働きません。そのため、口臭の原因となったり、将来的に虫歯や歯周病の進行、口腔内の細菌が原因で感染症を発症したりする可能性もあります。

    ドクターより

    唾液分泌量が低下する原因は?

     ドライマウスを引き起こす唾液分泌量の低下はどうして起きるのでしょうか?主な原因として、以下のことが考えられます。

    • 女性ホルモンの低下
      女性ホルモンの分泌量が減ると唾液も減る。また更年期は自律神経のバランスが乱れやすく唾液の分泌も不安定になりがち。
    • 加齢
      年齢とともに唾液の分泌量自体が低下。顎の筋肉の衰えなどで噛む力が弱まることでも唾液は減る。
    • ストレス
      ストレスがかかると交感神経が興奮し、唾液の性質が粘っこい方に傾く。
    • 食生活
      食事回数が少なかったりあまり噛まずに食べたりしていると、唾液分泌の機会が減り唾液腺の働きは低下する。
    • 喫煙
      たばこの煙の成分であるタールやニコチンが血流を阻害し、唾液が減る。
    • 飲酒
      アルコールには利尿作用があり、脱水状態になることから唾液も減る。
    • 薬の副作用
      鎮痛薬や抗ヒスタミン薬をはじめ大抵の薬に唾液を減少させる副作用があるとされている。特に抗うつ剤や抗不安剤は、神経に作用して唾液分泌を抑制する。
    • 病気によるもの
      自己免疫疾患のシェーグレン症候群では、唾液腺や涙腺に炎症が起き、口や目が乾いてしまう。

    ドライマウスを予防するには

    イメージ,口臭予防

     原因となる生活習慣を見直すと、ドライマウス予防につながります。

    • ストレスをためない
    • 適切な食習慣を身につけ、よく噛んで食べる:
      酸味のある食品で唾液腺を刺激するのもよい。
    • 口腔内を清潔に保つ:
      歯みがきやうがいを良く行い、アルコール入りの含嗽剤は避ける。
    • 睡眠時に口呼吸になる場合はマスクをつける
    • アルコールや喫煙を控える
    • ノンシュガーのガムを噛むなどして唾液分泌を促す
    • 室内の湿度を保つ

    唾液の分泌を促すストレッチや唾液腺マッサージもドライマウス予防におすすめです。

    ストレッチやマッサージの方法はコチラ

    症状緩和には未受診のままよりも専門医へ

     歯科や口腔外科などの専門医ではドライマウスの症状が緩和できる対症療法を行っています。乾燥や痛みの緩和目的に唾液分泌を促す薬や人工唾液を処方したり、保湿スプレー・保湿ジェルなどさまざまな製剤を紹介しています。原因に応じた治療が受けられるため、未受診のままでいるより専門医を受診するようにしましょう。

    カテゴリー
    ライフスタイル
    タグ
    , ,

    編集者より
    若い女性でも起こりうるドライマウス。原因をきちんと把握し予防に努めれば症状の軽減が期待できます。未受診のまま悩んでいるよりも、かかりつけ歯科などを受診して適切な治療を受けることも大切です。

    監修: 飯塚病院 歯科口腔外科

    飯塚病院 歯科口腔外科

    当科では、入院や手術を中心とした口腔外科診療(顎骨骨折、口腔腫瘍など)を行っています。また、当院でがん治療を受ける方や、誤嚥性肺炎で入院している方の口腔内を清潔に保つため、専門的口腔ケアを多く行っています。その他、NST(栄養サポートチーム)やRST(呼吸療法サポートチーム)などの多職種による回診に当科の医師、歯科衛生士も参加しており、科の枠組みを超えて筑豊地域の基幹病院における歯科口腔外科ならではの診療を行っています。

    飯塚病院歯科口腔外科のHPへ