休肝日は大切!肝臓に優しいアルコールとの付き合い方

イメージ,アルコール

  • 2016.07.08
目次

    暑い夏を乗り切るためには?

     ビアガーデンやバーベキューなど、夏はアルコールを口にする機会が増える季節。
     ただ、気の向くままにアルコールを飲み続けていると、体調を崩したり、気づいたら夏太りしていた…なんてことがあるかもしれませんね。ここではからだ、特に肝臓に優しいアルコール摂取の方法についてご紹介していきたいと思います。

    お酒が強い人は要注意!
    飲めば飲むほど肝臓には負担がかかっています

     胃や小腸から体内に取り込まれたアルコールの大半は肝臓に運ばれ、アルコールを分解する酵素によってからだに無害な物質に変化します。この酵素の働きが活発な人は、アルコールを沢山摂取しても悪酔いすることはありません。
     ですが、その分肝臓はフル回転で摂取したアルコールを分解しているので、肝臓に相当の負担をかけていることになります。お酒が強いと思わず毎日でも飲みたくなりますが、ここは休肝日を設けるなどして健康的に楽しむようにしましょう。

    ドクターより

    肝臓をいたわる効果的な休肝日のとり方

     ビール500ml、日本酒1合に含まれるアルコール量は約10g。このアルコールを肝臓が分解するには、起床時で5時間ほどかかります(個人差あり)。就寝中はさらに時間がかかってしまうので、摂取量が多いと肝臓は次の日もずっとアルコールを分解することになります。
     これを毎日続けていると、肝臓も休まる暇がありませんね。また、肝臓の大きさの違いやホルモンの関係から、女性は男性の半分ほどの飲酒量で脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変といった肝臓の病気になりやすいといわれています。
     総飲酒量を減らす、そして肝臓を休めるためにも推奨されているのは週2日の休肝日。肝臓病の発症を防ぎたいと考えるのであれば、週3~5日は休肝日にあてることをおすすめします。

    アルコールを摂る際に気を付けたいポイント

    イメージ,アルコール

     とはいえ、仕事の付き合いなどでアルコールを飲む機会も多くなりますよね。そんなときは、次のことに気をつけながら楽しむようにしましょう。

    • アルコールの吸収を緩やかにするために、空腹時の飲酒を避けたり食べながらゆっくり飲む
    • 野菜、海藻(もずく酢、海藻サラダ)、豆製品(豆腐、枝豆)など、肝臓を助けたり負担を軽くするおつまみを選ぶ
    • 自分の適量の範囲内で楽しんで飲む
    • 相手にも飲ませすぎない
    • 強いお酒は薄めて飲む

     肝臓の機能が低下しても、ある程度進行してからでないと症状は出てきません。定期検診で自分のからだの状態をチェックしながら、アルコールと上手に付き合っていくようにしましょう。

    持病をお持ちの方へ

    普段からアルコールを一定量まで飲むことが許容されるのは、軽症の高血圧の方などに限られます。糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、肝胆膵疾患、自己免疫性疾患、神経疾患から各種の癌を含め、治療中の持病がある方は、原則として禁酒する必要がありますのでご注意ください。

    カテゴリー
    ライフスタイル
    タグ
    ,

    編集者より
    「酒は百薬の長」といわれるのは、適量をたしなんでいる場合。健康的にアルコールを楽しむためにも、休肝日を設けるなど肝臓にやさしい習慣をもつようにしたいですね。

    監修: 飯塚病院 肝臓内科

    飯塚病院 肝臓内科

    当科の診療対象の中心は、肝がんと肝炎や肝硬変です。肝がんの内科的治療として、とくに経皮的ラジオ波焼灼療法(腫瘍を電極針に刺し、焼ききる根治的な治療法)の症例数は九州上位を誇り、全国的にも注目されています。当院には治療をしながらCT撮影が行える血管造影室などの設備もあり、より精度が高い治療を施行することができます。

    肝臓がんラジオ波焼灼術(治療数) 九州・沖縄 第2位(89件/年)
    (手術数でわかる いい病院2017|朝日新聞出版)

     

    飯塚病院肝臓内科のHPへ