- 2018.03.23
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前回【Vol.1】では、高血圧とはどのような状態なのか、正常な血圧はどのぐらいなのか、についてご紹介しました。今回は、高血圧が発症の要因となる病気のことや、高血圧の予防・治療方法をご紹介します。
高血圧を放置すると、どんなリスクがある?
高血圧に気が付かないまま放置すると、脳、心臓、血管、腎臓などの生命維持に不可欠な臓器に重篤な病気を発症するリスクが高まります。
- 脳:脳梗塞、脳出血、認知機能障害
- 心臓:心不全、狭心症、心筋梗塞
- 血管:動脈硬化、大動脈解離、動脈瘤
- 腎臓:蛋白尿、腎不全
高血圧は喫煙に次いで二番目の予防可能要因と考えられていますが、特に脳梗塞・脳出血については、高血圧が最大の危険因子とされています。
高血圧が進行するほど、これらの病気の発症リスクは高まりますので、血圧のコントロールがいかに重要であるかがお分かりいただけると思います。
高血圧を予防するために心がけることは?
高血圧の予防や改善には、生活習慣の改善が有効であることが分かっています。
特に有効なのが「減塩」です。食塩は、血圧の上昇をもたらすだけでなく、心臓や血管に負担を与えます。血圧が高い方は、一日の塩分摂取量を6g以下に抑えるように意識してみましょう。
肥満傾向の方は食事制限による減量が必要です。ウォーキングなどの有酸素運動にも、血圧を下げる効果が認められていますので、一日30分程度の運動を継続して行いたいものです。
アルコールについては、完全に断酒する必要はありませんが、やはりある程度の制限が必要です。男性は中瓶のビール1本まで、女性はその半分の量を目安にすると良いでしょう。
喫煙は動脈硬化を進行させ、血圧の上昇をもたらしますので、禁煙が必要です。
高血圧が続く場合は、薬で治療しよう!
生活習慣の改善は高血圧の改善に有効ではありますが、それだけでは十分な効果が得られないケースもあります。その場合は、医療機関を受診して、血圧を下げる薬(降圧剤)で治療を行う必要があります。降圧剤を飲み始めると一生飲み続けないといけなくなってしまう、と躊躇する方もいらっしゃいますが、薬できちんと治療すれば脳卒中等による死亡リスクは確実に減少します。
また、生活習慣の改善と併行して、血圧が良好に保てるようになれば、減薬したり、服用を終了することが可能になることもあります。まずは、目標の血圧を維持できるように、降圧剤による治療に専念しましょう。
高血圧は怖い病気ではありますが、上手に血圧をコントロールすることで、健康的な生活を送ることができます。血圧が気になる方は、一度、循環器内科のある医療機関を受診しておくと安心ですね。