- 2020.05.19
- 目次
-
コロナウィルスによる休業や休校、自粛が長引く中、子育て中のみなさんは特に、ご自身のことだけでなく、お子さんやご家族の心配・負担を抱え、日々奮闘しておられることと思います。
今日は、心理士が行っている“カウンセリング”の視点から、コロナストレスへの向き合い方を考えてみたいと思います。
コロナストレスによる子どもの反応/親の反応
<子どもの反応>
• なんだか元気がない/もしくは変にテンションが高い
• わがままや、きょうだい喧嘩が増えた
• ちょっとしたことで泣く
• いつも以上に甘えたり、くっついてくる など
<親の反応>
• 手洗いやマスクなど、子どもの行動にピリピリしている
• ちょっとしたことでイライラして、叱りすぎてしまう
• 子どもの世話や相手をがんばりたいが、非常に疲れる
• 時々むしょうに、子どもと離れたくなる など
日々の生活や安心感が揺らぎ、当たり前だった多くのことが制限される中で、先行きの見えない不安や閉塞感により、親にも子どもにも様々な影響が出ています。これは「いつもとは異なる事態」に対する「一般的な(よくある)」反応であって、年齢や置かれている状況によって多少の差はあれ、誰にでも起こりうることです。
もやもや・不安は、なるべく言葉にして伝え合おう
カウンセリングでは、言葉を用いた対話を通して、困っていることや悩んでいることを解決していきます。
目に見えない不安や閉塞感・イライラは、言葉にして外に出してあげることで、自分の中で輪郭がはっきりし、少し落ち着くことがあります。人と会うこと自体を制限されている毎日ですが、電話やメール、SNSなどを駆使して、家族や身内、職場の人やお友達と…まずは身近な大人同士で、日々感じていることをなるべく分かち合っていきましょう。
そして、子どもに対しても「どこにも行けなくてストレスがたまるよね」「いつまで続くのか心配だね」「お互いどうしてもイライラしちゃうけど、楽しい過ごし方を一緒に考えていこうね」など、親の方から気持ちを言葉にして、時々声をかけてあげましょう。
言葉にして親の思いを伝えることで、子どもも自分の“もやもや”を分かってもらえていると感じ、安心につながると思います。
こんな状況下だからこそ…“遊びがもつ力”を大切に!
小さなお子さんは自分の思いを言葉で表現することが難しいため、カウンセリングでは遊びを用いてやりとりすることがあります。
「子どもは遊びの天才です。」
お出かけできない、お友達にも会えないつらい状況下でも、子どもたちの遊びは日々生まれ、いきいきと展開されていることと思います。遊びの中で子どもたちは、自分の言葉にできないつらさや不安を消化し、元気づけ、乗り越える力を得たりしています。
親にとって、元気の有り余る子どもたちは、「今日1日をどう過ごさせようか?」「生活リズムや勉強もちゃんとさせないと」「もう限界…」と悲鳴をあげたくなるかもしれません。
親自身ががんばりすぎずに、自分が小さいころ好きだったものや、これまでの人生で支えになってくれたものを思い出して、自粛下でもできることはないか探してみましょう。子どもの遊びを見守り、みんなの息抜きや気分転換を大切に…この苦しい状況を乗り切っていきましょう。