女性の密かな悩み「爪水虫」は市販の薬で治せない? Vol.1

イメージ:足・爪

  • 2018.04.13
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    爪にできる水虫「爪水虫」市販の薬で治せない?

     水虫といえば、特に足になりやすいことがよく知られていますね。同じ足水虫でも、爪の中にできた水虫が爪水虫です。我が国の疫学調査では日本人の5人に1人が足水虫に、また10人に1人が爪水虫になっていると報告されています。この結果を裏付けるように、近年は市場でもさまざまな水虫の薬が販売されています。ドラッグストアやネット通販などで気軽に購入できる市販薬は、水虫を恥かしく思う女性にとってまさに救世主的存在と言っても過言ではないでしょう。
     しかし爪水虫の厄介なところは、硬い爪の中に潜む水虫に薬が浸透しにくい点にあります。そのため爪水虫においては、市販薬を毎日使っているのになかなか効果が得られないというケースが多いようです。
     そこで今回は、しぶとい爪水虫を完治させるためにはどのような治療が効果的か、また爪水虫になる原因や注意点などについて詳しくご紹介したいと思います。

    爪水虫の治療法にはどんなものがある?

     ガンコな爪水虫を完治するには、やはり専門である皮膚科で治療を受けるほうが良いでしょう。皮膚科での爪水虫の治療には以下の3つの方法があります。

    •  内服薬(飲み薬)
       爪水虫が他の水虫よりも完治しにくいのは、水虫の原因菌が硬い爪の下に生息しており、表面から薬を作用させることが難しいからです。そのため爪水虫の治療では抗真菌薬を服用することで、体の内側から原因菌に働きかけていきます。
    • 外用薬(塗り薬)
       皮膚科の治療においても市販薬と同じような塗り薬が処方されます。病院では浸透力の高い水溶性の抗真菌薬が用いられます。最近では爪水虫専用の外用薬も登場し、これまで外用薬だけでの治療は難しいと言われてきた爪水虫も外用薬のみでの治療が可能になってきています。
    •  レーザー治療
       近年はレーザーを用いて爪水虫を治療する皮膚科も増えています。レーザーの蒸散、殺菌効果によって爪水虫を治していくレーザー治療は、薬のような副作用の心配がなく、また治療自体に痛みを伴うこともありません。ただし、爪水虫のレーザー治療は厚生労働省の認可がまだ下りていないため、保険が適応されない治療(自費での治療)となります。イメージ:足 施術

    病院で処方される爪水虫の内服薬には注意が必要

     皮膚科などの病院で受ける爪水虫治療の中で、最も効果が高いとされているのが内服治療です。ただし、その高い効果の半面、病院で処方される爪水虫の薬には副作用があるため注意が必要です。特に肝臓に対する副作用が強いため、服用中は血液や肝臓の機能を調べる検査を定期的に行う必要があります。また、もともと肝臓に疾患のある方や妊娠している方は使用を禁じられています。
     さらに爪水虫の内服薬の中には他の薬剤との相性が悪いものもあるため、水虫以外の病気で薬を服用している場合は医師に必ず申告するようにしましょう。

     次回【Vol.2】では、爪水虫の初期症状や原因、ホームケアの注意点についてご紹介していきます。
     【Vol.2】へ続く

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    監修: 飯塚病院 皮膚科

    飯塚病院 皮膚科

    当科は、外来では軽症から重症、急性疾患から慢性疾患まで幅広く診療を行い、年間700件を超える外来での手術を行っています。入院においても、当院の特色である救命救急センターからの救急疾患(主に熱傷、壊死性筋膜炎、急性熱性発疹症、蜂窩織炎、帯状疱疹、マムシ咬傷など)多くの疾患に対応しています。また、当院の形成外科や救急部などと連携しながら、腫瘍切除後の再建や、熱傷・壊死性筋膜炎などの全身管理にも対応可能な体制を整備し、診療にあたっています。

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