整形外科 > 特長的な取り組み
飯塚病院 整形外科では、さまざまな特徴的な取り組みをしています。主な取り組みをご紹介させていただきます。
大腿骨近位部骨折の原因は転んでお尻を打った場合などに、大腿骨の根元が折れてしまうことです。骨粗鬆症がひどい場合にはちょっと転んだだけでも折れてしまい、折れた場所に痛みが出て、立ち上がったり歩いたりすることが出来なくなります。
現代の日本では多くの高齢者の方が、骨粗鬆症にかかっていると推定されています。従ってあなたやあなたのご家族がこの「大腿骨近位部骨折」を起こす可能性は十分にあります。
この「大腿骨近位部骨折」の患者さんですが、出来る限り早期に手術を行うことが大切です。
早期に手術を行うために、私たち飯塚病院整形外科では、総合診療科の協力のもと、「大腿骨近位部骨折多職種連携アプローチ」というプロジェクトを2016年12月からスタートさせました。以下にその内容について詳しく紹介して行きます。
[1] バイオクリーンルームなどの最新設備の設置
人工関節手術はあらゆる外科手術の中で最も高い清潔度が要求される手術です。したがって術後感染症を予防するためいろんな対策がとられています。当センターでは最新のバイオクリーンルーム(人工関節に適した清潔度の高い手術室)を設置しています。その清潔度はNASA規格でクラス100と最高レベルを獲得しています。また手術をする医師の宇宙服のような手術用着衣など様々な感染予防対策を施しています。
[2] 低侵襲手術の導入
最近、人工関節手術においてもできるだけ患者さんの負担が少ない手術(低侵襲手術、MIS)が導入されており、当センターでも導入しています。低侵襲手術を行うことで術後の回復も早く、疼痛も軽度のため術後のリハビリも早期に進みます。
[3] 術後鎮痛の徹底
整形外科の手術では、なるべく手術後の痛みを取り除いて、患者さんに苦痛を与えずリハビリに励んでいただくことで、早期に回復し日常生活に復帰できる事が分かってきました。人工関節手術も同様で、当科では麻酔科との連携のもと、様々な疼痛緩和対策を行っています。そのため以前に比較して術後のリハビリもスムーズに進行しています。
[4] 充実したリハビリテーション
人工関節手術には適切なリハビリテーションが必要です。当院は福岡県内でも有数のリハビリテーション施設(リハビリ担当医、理学療法士、作業療法士)を誇り、専門スタッフが手術前から手術後のリハビリを行っています。
早期の回復を図るために手術翌日より立位保持、歩行訓練を開始していますし、日曜、祭日も積極的にリハビリを行なっています。
手術後早期には、患者さんの移動の負担を軽減するため整形外科病棟内のリハビリ室でリハビリを行っています。その後運動量の増加に伴い、広いリハビリテーション室へ移動しリハビリに励んで頂いています。
[5] チーム医療
経験豊富な医師を中心として、地域連携室、外来・病棟・手術室看護師、放射線技師、理学療法士、作業療法士、さらに整形外科メディカルアシスタントなどの多くのコメディカルが良いチームとして連携しながら治療に携わっていることも特徴です。人工関節手術に関して疑問が生じた場合なども、事務局に連絡していただければ、適当なスタッフに連絡を取りお返事できる体制を整えています。
[6] 総合病院の利点を生かしたリスクマネージメント
人工関節手術は確立した手術ですが、様々な合併症が生じる可能性もあります。そのため手術前に全身の健康診断を行い、手術の危険性がないか検討します。もし何らかの異常があれば、内科医や麻酔科医に相談し、手術や麻酔が安全に行えるか検討します。当院は福岡県下有数の総合病院ですので、充実した専門内科部門があり、専門医師が診療にあたります。また、術後に何らかの合併症が生じてもそれぞれの専門医師が迅速に対応します。
手術実績(過去5年間の症例数)
2018年 | 2019年 | 2021年 | 2021年 | 2022年 | |
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人工膝関節置換術 | 42 | 53 | 47 | 69 | 69 |
人工股関節/その他の人工関節 | 107 | 118 | 138 | 152 | 134 |
人工関節置換術施行決定の診断から退院までの流れ