膵臓がんドック
膵臓がんの現況
膵臓がんは、年々増加傾向にある悪性腫瘍です。初期には自覚症状がほとんど現れず、進行が速い上に、人間ドックで一般的に行われる腹部エコー検査では発見が難しい(発見率0.007%†)ため、発見時には進行していることが多く、予後不良(5年生存率約10%)な難治性がんの一つです。

国立がん研究センターがん情報サービスより作成
†:熊田 桂子,他.ドック・健診機関における腹部超音波膵癌検診の現状と対策.総合検診 2014年発表 医学論文よりデータ引用
膵臓がんの早期発見のために
膵臓がんは予後不良(5年生存率約10%)ながんですが、がんが小さい早期のうちに発見できれば予後が良好であることが知られています。5年生存率は、1cm以下の癌では80%、1~2cmでは50%と比較的良好です。つまり、膵臓がんの予後改善には早期に発見することが重要です。

残念ながら人間ドックで一般的に行われる腹部エコー検査での早期発見は極めて困難であることが報告†されているため、一部の任意型検診機関では、EUS(超音波内視鏡検査)、MRI、CT、PETなどの膵臓がん精密検査用の高度画像検査を組み合わせた新たなオプション検査である膵臓がんドックを提供し、早期発見率の向上に取り組んでいます。
†:熊田 桂子,他.ドック・健診機関における腹部超音波膵癌検診の現状と対策.総合検診 2014年発表 医学論文よりデータ引用
超音波内視鏡検査(EUS)とは
直視型超音波内視鏡を用いた膵臓がん検診(同時に内視鏡による胃がん検診も施行)1,2

飯塚病院予防医学センターでは、2021年より、小さな膵臓がんの発見に最も有効とされる超音波内視鏡検査(EUS)による膵臓がん検診を実施しています。この検診では、胃カメラも同時に行える最先端の直視型超音波内視鏡を使用するため、一度の検査で膵臓がんと胃がんの両方の検診を受けていただけます。 内視鏡の交換は不要です。検査は鎮痛鎮静剤を使用し、眠っている間に行いますので、ほとんど苦痛を感じることはありません。 また、検査はEUSの経験が豊富な日本消化器内視鏡学会認定指導医が担当いたしますので、ご安心ください。
※EUSは、膵臓がんの早期発見率が最も高いですが、決してすべての膵臓がんを発見できるわけではありません。
1:Akahoshi K, et, al. Fukuoka Igaku Zashi 2007年発表 英文医学論文より引用。
2:赤星和也, 他. 直視型ラジアル超音波内視鏡を用いた膵癌胃癌検診の有用性~腹部超音波膵癌検診との比較を中心に~ 日本消化器癌検診学会雑誌 2025年発表医学論文より引用
磁気共鳴画像法/磁気共鳴胆管膵管撮影(MRI/MRCP)とは
本検査は、X線による被ばくがなく、苦痛も伴わないため、安全に受けていただけます。膵臓がんの発見率はEUS(超音波内視鏡検査)にやや劣るものの、EUSや腹部エコーのように検査を行う医師のスキルに左右されることがありません。そのため、現在、人間ドックの膵臓がん検診で普及しつつあります。
*MRI/MRCPは、膵臓がんの発見に有用ですが、決してすべての膵臓がんを発見できるわけではありません
腹部エコー検査とは
苦痛やX線被ばくがなく、きわめて安全な検査です。膵臓がんの発見率は0.007%†と低いものの、肝臓、胆嚢、脾臓、腎臓といったお腹の多くの臓器の病変を発見できる有用な検査です。現在では、日本の人間ドックにおける腹部のがん検診の主力となっています。また、検査は経験が豊富な日本超音波医学会認定超音波検査士が担当いたしますので、ご安心ください。
*腹部エコーは、膵臓がんの発見にも有用ですが、決してすべての膵臓がんを発見できるわけではありません。
†:熊田 桂子,他.ドック・健診機関における腹部超音波膵癌検診の現状と対策.総合検診 2014年発表論文よりデータ引用
膵臓がんドック(コース・料金表)
飯塚病院予防医学センターでは、膵臓がんの早期発見に注力しています。一般的な血液検査や腹部エコー検査に加え、小さな膵臓がんの発見に有効とされる超音波内視鏡検査(EUS)やMRI/MRCPといった高度な画像検査を組み合わせた、充実した膵臓がんドックメニューをご用意しております。さらに、当院のEUSでは最先端の直視型超音波内視鏡を採用しているため、内視鏡を交換することなく、胃がんの内視鏡検診も同時に行っております。
| スタンダードコース | ゴールドコース | |||
|---|---|---|---|---|
| 検査項目 | Sコース | Sコース2 | 単独コース | Gコース |
| 超音波内視鏡検査(EUS) | ● | ● | ● | ● |
| 腹部超音波検査 | ● | 「人間ドック」に 含まれている場合 |
● | ● |
| 磁気共鳴画像診断 (MRI検査)※1 |
● | |||
| 胃内視鏡検査 | 「人間ドック」に 含まれている場合 |
「人間ドック」に 含まれている場合 |
● | ● |
| 料金(税込) | 33,000円 | 27,500円 | 48,400円 | 81,400円 |
※1 胃の変形や腹部手術による超音波内視鏡検査(EUS)観察困難部位を観察可能です。
以下の方は検査できない場合がありますので、必ず事前にお問い合わせください。
●超音波内視鏡検査(EUS):心臓疾患、脳血管障害、呼吸器疾患治療中の方
●てんかん治療中の方、抗てんかん薬内服中の方
●磁気共鳴胆管膵管撮影(MRI):動脈瘤クリップを装着されている方、心臓人工弁を装着されている方、人工骨頭を装着されている方、手術や事故などにより、体内に金属異物を有している方、妊娠中の方(可能性のある方)、狭いところが苦手な方、刺青(入れ墨)・刺青による眉・アイライナー(使用されている鉄粉に反応しやけどをすることがあります。)
お申込先(事前のお申込が必要です)
電話:0948-29-8009(直通) 予約受付時間:平日10:00~16:00










