発達障害

どんな病気?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の障害です。発達障害があるお子さんは、コミュニケーションや対人関係を作るのが苦手です。知的な遅れを伴わない障害については、早期に気づくことが難しい病気です。

発達障害の代表的な疾患には、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥・多動性障害)があります。広汎性発達障害には、自閉症やアスペルガー症候群が含まれます。

どんな症状?

広汎性発達障害の症状は、対人コミュニケーションの不得意、言葉によるコミュニケーションの不得意、固執・変化への抵抗(こだわり)が特徴です。

ADHDの症状は、多動、集中困難、衝動性が特徴です。また、自己評価が低下し、反抗的、抑うつ的になることもあります。

なお、発達障害は複数の障害が重なって現れることもあります。障害の程度、年齢、生活環境などによって症状も多様になります。

飯塚病院での治療

広汎性発達障害については、言葉による理解が不得意なことが多く、視覚的にわかりやすい説明や場面の構造化をする必要があり、気持ちの理解もまた不得意であることを踏まえた対応が必要となります。そのため、地域での家族への養育指導、幼児・学童の療育が行われる必要があります。

当院では、このような子どもたちの診断を行うとともに、行動上の問題が強い場合には、薬物療法などを行っています。

ADHDについては、家族、学校などへのアドバイスに加え、精神療法的アプローチ、薬物療法が中心です。

発達遅滞や問題行動のご相談については、基本的に医療機関からの紹介状が必要です。まずは、かかりつけの先生にご相談ください。なお、教育機関からの紹介状もあると診療がスムーズに進みます。

当院小児科では、臨床心理士と共同で診察の上、必要があれば専門医への紹介(院内)を行います。また、必要に応じて外来リハビリテーションも行います。

早期発見・早期治療のために

1歳6ヶ月と3歳の乳幼児健診は早期発見に活用できます。1歳6ヶ月健診では、指差しができるか、名前を呼ばれると振り向くかなど、言葉や音への反応を確認します。3歳健診では、言語・精神・運動発達の確認、社会性発達の確認などを確認します。健診で気づいた点があれば、かかりつけの先生にまずは相談しましょう。

ドクターからのアドバイス

以前に比べれば発達障害に関する知識や情報が一般的にも知られるようになったとはいえ、まだまだ周囲の理解不足で子どもさんや親御さんが苦労されることも少なくないようです。ストレスを感じられることがあれば、お一人で抱え込まずにぜひご相談ください。