妊娠悪阻(つわり)
妊娠悪阻って?
妊娠中の食欲不振・嘔吐は75~80%の妊娠女性が経験すると言われ、妊娠初期のものは特に悪阻(つわり)と呼ばれます。通常の悪阻は妊娠9週が症状のピークであり、12週頃までに軽快し、16~18週には消失しますが、妊娠の15~20%で妊娠中期まで症状があり、5%では分娩まで継続すると言われています。
重症化するものは?
強い吐き気が続いて嘔吐を繰り返すことにより、脱水症状になって尿が出にくくなったり、体重が減少したりします。さらに進行すると、肝機能障害など、内臓の機能不全につながることもあり重症妊娠悪阻となります。報告にはばらつきがありますが、入院を必要とする重症妊娠悪阻は0.5~2%と言われています。
飯塚病院での治療
水分摂取が不十分な場合や栄養不足の場合には、漢方や点滴治療を行います。外来での治療が大半ですが、症状が強い場合は安静と補液のため入院していただくこともあります。
早期発見・早期治療のために
症状がつらい時には、かかりつけの産婦人科医に相談されてください。できるだけ具体的に症状を伝えること、体重の減少が見られる場合は体重の推移も併せて伝えることにより、より的確な対処がなされると思います。
ドクターからのアドバイス
原因は不明ですが、ホルモン説、心因説、消化器機能異常説などがあります。無理に通常の食事時間に合わせず、好きな時に好きな物を食べ、臭いの強い食物や、刺激性の強い食物、悪い思い出のある食物などは摂らないようにしましょう。
近しい人々、特に配偶者による理解と補助の重要性はほぼ認められています。「妊娠は病気じゃないから」と我慢しないようにして、家族と周囲の理解が得られるようにかかりつけ医に相談されてください。